この記事では、「業種」と「業界」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「業種」と「業界」の違い
「業種」とは、その企業が関わっている分野を大きく分類したものです。
対して「業界」とは、同じ商品、同じサービスを扱う企業同士を指します。
そのため、同じ「業種」の中でも、さらに同じ商品やサービスをしている企業の事を「業界」と言います。
「業種」と「業界」の使い方の違い
「業種」は、企業が関わっている分野について大きく分類したものを指しますが、その「業種」の中でさらに同じ商品やサービスをしている企業を「業界」という括りでまとめる事ができます。
「業種」と「業界」の使い方の違いを具体的に言うと、「サービス業」という業種がありますが、「サービス業」の仕事内容は企業ごとにそれぞれ異なります。
「サービス業」の中で、外食サービスを主に展開している企業であれば、「外食業界」になりますし、ホテルなどの宿泊施設を運営している企業は「ホテル業界」と分類する事ができます。
この場合「外食業界」も「ホテル業界」も同じ「サービス業」という業種ではありますが、異なった「業界」という事になります。
ですので外食サービスを展開している企業は、「サービス業」の「外食業界」に位置するという事になります。
「業種」と「業界」の英語表記の違い
「業種」を英語表記すると“sector”、「業界」を英語表記すると“industry”になります。
「業種」の意味
「業種」とは、企業が関わっている事業の分野のことを指します。
総務省統計局が定めている、日本標準産業分類の「産業」に準じ、証券コード協議会が分類したものが一般的になっています。
分類は10の大きい分類の中にさらに33の分類が存在します。
「業種」の使い方
「業種」は、10の大きい分類の中に33の分類があります。
大きい分類としては、製造業、電気・ガス業、運輸・情報通信業、商業、金融・保険業、不動産業、サービス業、水産・農林業、鉱業、建設業の10に分けられ、その中でさらに33に分けられます。
「業種」を指す場合はこの分類に従って、企業の分野を大まかに分ける際に使用される言葉になります。
業種の中には、あまり目にしないような業種も多く存在しています。
例えば、製造業の中にある「輸送用機器」という業種は、自動車メーカーや、造船メーカーなどの、移動用の乗り物を製造している企業の事を指します。
他にも、製造業の中でも医療品、ゴム製品などいくつかの「業種」に中分類されます。
例えば、紙製品を製造している企業に対しては「製造業」の「パルプ・紙業」と分けて使用される事になります。
「業種」を使った例文
・『私が働いている会社は、電気機器を製造している会社なので、業種で言うと製造業にあたる』
・『サービス業で働く彼女は、業種特有のストレスを抱えている』
・『特殊なサービスを展開している企業は、業種の分類が難しい』
・『弟が勤めている企業の業種は製造業の中でも精密機器を製造している』
・『建設業という業種は、なかなか若い人材が集まらず平均年齢が上昇している』
「業種」の類語
「業種」の類語としては、後述する「業界」や、「職種」などが挙げられます。
「業種」の対義語
「業種」の対義語としては、違った「業種」を指す「異業種」が挙げられます。
「業界」の意味
「業界」とは、取り扱い商品が同じ分野の企業の事を指します。
上述した「業種」において、さらな細かく分類したものを指すという事になります。
「業界」の使い方
「業界」は「業種」を更に細かく分類したものを指す場合に使用される言葉です。
例えば、「サービス業」は業種ですが、その中に「ホテル業界」や「外食業界」、「広告業界」というように、同じ商品や分野の企業をさらに細かく分けたものについて「業界」と呼びます。
「業界」を使った例文
・『ホテル業界で働いていると、プライベートでも敬語の癖が抜けない』
・『私は母が働く飲食業界の事がとても好きだ』
・『医療業界で働く人たちは、本当に尊敬する』
・『私の友人は建設業界で働いているが、とても良い体つきをしている』
・『とても専門的な知識が必要な業界は、年収が高くなる』
「業界」の類語
「業界」の類語としては、上述した「業種」や「職種」、「業態」や「同業」などがあります。
「業界」の対義語
「業界」の対義語としては、異なった業界を示す「異業界」が挙げられます。
まとめ
「業種」とは、一般的に大きく10種類、さらにその中で33種類に分けられる、関わっている事業の分類を指します。
その「業種」の中で、さらに細かく同じ商品やサービスをしている企業を「業界」と呼ぶと言う事になります。