「協業」と「共同」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「協業」と「共同」の違いビジネス・就職・転職

この記事では、「協業」「共同」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「協業」と「共同」の違い

「協業」の表現は、「大勢の人たちが同じ仕事(生産活動)のプロセスに集まって協力して働くこと」「複数の会社が同じ事業で力を合わせること」を意味しています。

「協業」に対して「共同」というのは、「複数の人・組織団体が同じ目的のために協力して何かを行うこと(仕事以外の物事を行うことも含む)」を意味している違いがあるのです。

また「共同」には「協業」が持っていない「共同トイレのように同じ条件・立場・資格である物事に関係したり使用したりする」という独自の意味合いも備わっています。


「協業」と「共同」の使い方の違い

「協業」の言葉は「この工場ではプラスチック製品を協業で生産しています」のように、「複数の労働者が同じ生産活動のプロセス(製品の生産過程)に集まって力を合わせて働く」の意味合いで使います。

「共同」にも「複数の人・組織が力を合わせて何かを行う(仕事・生産以外の活動も含む)」の意味はありますが、「協業」のような「製品の同一の生産過程で分業せずに協力して働く」までの意味合いがない違いを指摘できます。

逆に「共同トイレ・共同浴場」など、「複数の人たちが同じ条件・立場で関わったり使ったりするの意味」を持つ用法は「協業」にはありません。


「協業」と「共同」の英語表記の違い

「協業」の英語での表現は以下になります。

“collaboration”(複数の人々が力を合わせて働くこと・協業)

“collaboration between A and B”(AとBの協業)

「共同」の英語を使った表現は以下になります。

“cooperation”(複数の人や組織が協力すること・共同)

“joint”(複数の人や会社が結合・連携して何かを行うこと、共同)

“common”“communal”(複数の人が同じ条件や資格で関わること・公共の・共同)

「協業」の意味

「協業(きょうぎょう)」とは、「複数の労働者が、同じ生産活動のプロセス(同じ製品の生産過程)に集まって協力して一緒に働くこと」を意味しています。

また「協業」の言葉は、「複数の会社が同一事業(同じビジネス)を行うために集まって協力・協働すること」といった意味合いも持っています。

「協業」の使い方

「協業」という言葉は「協業したほうが効率的に製品をつくれる製造ラインもあります」のように、「同じ生産過程に大勢の労働者が集まって一緒に協力して働く意味合い」で使う使い方があります。

また「他社との協業によって新たなビジネスを展開していきます」の文章で示されるように、「複数の会社が集まって同一事業を行うために協力する」といった意味でも使うことが可能です。

「協業」を使った例文

・『マルクス経済学では、労働者の協業と分配の平等が重視されていました』
・『工場の生産ラインで協業できるプロセスを増やすことで労働者の連帯が強まります』
・『分業は効率的な働き方なのですが、協業には分業にない仕事の満足感があるのです』
・『他の製薬会社と協業して、感染症治療に役立つ新薬の開発に乗り出すことになりました』
・『協業できるレベルの技術力を持っている同業他社はかなり限られています』

「協業」の類語

「協業」の類語には、以下のような言葉があります。

「協力(きょうりょく)」……二人以上の人(複数の団体)が力を合わせて物事を行うこと。

「協働(きょうどう)」……複数の人・組織団体が協力して働くこと。

「事業提携(じぎょうていけい)」……複数の企業・組織が同一事業で連携して、力を合わせて仕事を行うこと。

「協業」の対義語

「協業」の対義語には、以下のような言葉があります。

「分業(ぶんぎょう)」……製造業における一つの生産過程をいくつかの作業の工程に分けて働くこと。

一つの仕事を複数に分けて効率的に作業すること。

「役割分担(やくわりぶんたん)」……複数の人が自分に与えられたそれぞれの役割を引き受けること。

「共同」の意味

「共同(きょうどう)」とは、「複数の人・団体(集団)が同一の目的のために協力して何かを行うこと」「複数の人・組織が力を合わせて仕事・作業・活動・企画などをすること」を意味しています。

さらに「共同」の言葉は、「それぞれの人たちが同じ条件・立場・資格である物事に関わること」「大勢の人々が施設などを同じ条件で平等に使用できること」といった意味合いも持っています。

「共同」の使い方

「共同」「共同事業・共同経営・共同企画」のように、「複数の人たちや団体が同じ目的を持って集まり、力を合わせて何かを行うこと」の意味合いで使われます。

また「共同」の使い方として「共同トイレ・共同浴場・共同施設・共同墓地」の例で使われているように、「大勢の人たちが同じ立場・資格・条件である物事に関係したり使用できたりすること」の意味で使うこともできます。

「共同」を使った例文

・『共同作業によって、効率的に仕事を進めることができました』
・『共同経営者が所得隠しの脱税で逮捕されたことで、私も疑われる羽目になりました』
・『日韓共同開催のワールドカップでは、素晴らしいサッカーの試合を観戦することができました』
・『日本人の大多数には、共同トイレを清潔に使うマナーや意識が浸透しています』
・『地方自治体が管理している共同の宿泊所であれば、安い料金で泊まることができます』

「共同」の類語

「共同」の類語には、以下のような言葉があります。

「協同(きょうどう)」……心を一つにして力を合わせて働くこと。

連帯と協力をしながら一緒に仕事をすること。

「協調(きょうちょう)」……利害・立場が異なる人たちが、お互いに相手に合わせて協力すること。

「共用(きょうよう)」……二人以上の複数の人たちが共同で使用すること。

「共同」の対義語

「共同」の対義語には、以下のような言葉があります。

「単独(たんどく)」……複数ではなく一人であること。

一人きりである状態。

「独断専行(どくだんせんこう)」……自分ひとりだけで判断・決断をして、単独で物事を行うさま。

「専用(せんよう)」……他の人は使うことができず、特定の決まった人だけが使えること。

その人だけがもっぱら使えること。

まとめ

「協業」「共同」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「協業」「共同」の意味・使い方・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい人は、この記事の内容をチェックしてみてください。