この記事では、「トウヒ」と「松」の違いを分かりやすく説明していきます。
「トウヒ」とは?
マツ科トウヒ属に属する常緑針葉樹の一種を意味する言葉です。
北海道や北東アジアに広く分布しており、とりわけ本州の紀伊半島から中部山岳地帯にかけての亜高山帯に自生しています。
「トウヒ」は、更新世前期に本州に広がり、最終氷期にはより広い範囲に分布していたものの、今日ではその範囲は縮小しています。
また、「トウヒ」は、純林が特徴的で、樹高は40メートルに達することもあり、葉は扁平で、長さは最大で15mm程度です。
球果は3-6cmほどで、建材としても使用されます。
「松」とは?
マツ科マツ属に属する植物の総称を意味する言葉です。
アカマツ、クロマツ、ゴヨウマツ、ハイマツなどが含まれます。
多くは高木となり、葉は針形で2本、3本、もしくは5本が束になって生えます。
球果は「松かさ」と呼ばれ、建材や器具材、パルプ、薪炭などに広く用途があります。
日本では神聖な木とされ、節操や長寿を象徴する木として尊ばれます。
「トウヒ」と「松」の違い
「トウヒ」と「松」の違いを、分かりやすく解説します。
「トウヒ」と「松」は、どちらも針葉樹を意味する言葉ですが、それぞれ異なる特徴があります。
「トウヒ」は、マツ科トウヒ属に属する、常緑性の針葉樹のことです。
「トウヒ」の葉は針状で、最大15mm程度の長さがあり、密集しており全体的に濃い緑色です。
葉の裏側には気孔があり、葉の先は細く尖っていません。
また、「トウヒ」は、球果を付け、その形は円錐形であることが特徴的です。
その一方で、「松」はマツ科マツ属に属し、「トウヒ」よりも柔らかくしなやかな葉を持つ植物のことです。
「松」の葉は長さが異なる種類が多く、一般的には「トウヒ」の葉よりも長い傾向があります。
また、球果は「トウヒ」と比較すると大きく、成熟すると鱗片の間に隙間が開き、木の上でバラバラと落ちていきます。
まとめ
「トウヒ」と「松」は、似ているようでいて、葉の形状や球果の大きさなど、いくつかの特徴において異なります。
それぞれの樹木が持つ独自の特性を理解することによって、自然の中でのそれぞれの役割を理解できることでしょう。