この記事では、「達人」と「達者」の違いを分かりやすく説明していきます。
「達人」とは?
ある分野や技術において、高い能力や知識を持ち、その奥義や道理に通じている人を表します。
例えば、「武芸の達人」「料理の達人」「人生の達人」などと使います。
この言葉は、人を表す名詞としてのみ使われます。
この言葉の由来は、仏教用語で、悟り開いた者を意味する「達磨」に由来します。
達磨は、インドの僧で、中国に禅宗を伝えたとされる人物です。
達磨は、自分の顔を見ることが不可能なほどの修行をしたと言われており、その姿が「だるまさん」のモデルになったとも言われています。
「達者」とは?
学問や技芸などに熟練している人や様子を表します。
例えば、「武道の達者」「筆が達者だ」などと使います。
この意味では、「達人」と同じですが、「達者」は「達」の方にアクセントを置いて発音します。
また、体が丈夫で健康な様子を表します。
例えば、「達者で暮らす」「達者でいる」などと使います。
この意味では、「達者」は「者」の方にアクセントを置いて発音します。
さらには、立ち回りがうまく抜け目ない様子を表します。
「達人」と「達者」の違い
「達人」と「達者」の違いを、分かりやすく解説します。
「達人」とは、ある分野において高い技能や知識を持ち、その道の奥義に通じている人のことを言います。
達人は、その分野において他の人から尊敬や賞賛を受けるほどのレベルに達しているというニュアンスがあります。
その一方で、「達者」とは、物事に慣れていて巧みな様子や、身体が丈夫で健康な様子、または抜け目がなく機転が利く様子を表します。
達者は、達人ほどの高いレベルではなくても、普通よりも上手だったり、元気だったり、賢かったりするというニュアンスがあります。
「達人」の例文
・『彼はギターの達人で、どんな曲でも自在に弾きこなせる』
・『彼女は料理の達人で、一時間で十品もの料理を作り上げることが可能だ』
「達者」の例文
・『彼女は達者に暮らしているが、たまに孫に会いたがる』
・『彼は口が達者で、どんな相手でもうまく話をつけることが可能だ』
まとめ
「達人」と「達者」という言葉は、熟練している様子については同じですが、「達者」には他にも意味があります。
また、「達人」は人を表す名詞としてのみ使われますが、「達者」は人以外のものにも使われます。
このような違いに注意して使い分けるようにしましょう。