この記事では、「踏襲」と「受け継ぐ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「踏襲」とは?
それまで行われてきたやり方やしきたりなどを変更することなくそのまま受け継ぐことを言います。
例えば、「前任者の仕事の進め方を踏襲する」というように使います。
この場合、踏襲するのは前からずっとその部署にあった決まり事や仕組みです。
踏襲は、前例を尊敬して真似ていきたいときにも、前例を弊害として改革を望むときにも使える言葉です。
「受け継ぐ」とは?
前の人や世代から何かを引き継ぐことを言います。
その何かは、形のあるものだとしても、形のないものであっても構いません。
例えば、「家業を受け継ぐ」という場合、親や祖父母等から事業や店舗などを引き継ぐという意味になります。
また、「先生の教えを受け継ぐ」という場合、先生から学んだ知識や技術などを引き継ぐという意味になります。
「踏襲」と「受け継ぐ」の違い
「踏襲」と「受け継ぐ」の違いを、分かりやすく解説します。
「踏襲」と「受け継ぐ」の違いは、踏襲がやり方や作法など形のないものを引き継いだときに使うのに対して、受け継ぐは形のあるものを引き継ぐときにも用いられるという点です。
また、踏襲は前例に従うというイメージが強いのに対して、受け継ぐは自分のものにするというイメージが強いという点も異なると言えるでしょう。
「踏襲」の例文
・『彼は先代の監督の演出スタイルを踏襲した作品を作りました』
・『この会社は創業者の経営理念を踏襲しています』
「受け継ぐ」の例文
・『この刀は、先祖代々、受け継ぐことになっている』
・『彼女は、祖母から受け継いだ指輪を大切にしています』
まとめ
「踏襲」と「受け継ぐ」の違いは、前者はやり方や作法など形のないものを引き継ぐことで、後者は財産や権利など形のあるものを引き継ぐことです。
それぞれの言葉を正しく使い分けられるようにしましょう。