この記事では、「優性劣性」と「顕性潜性」の違いを分かりやすく説明していきます。
「優性劣性」とは?
遺伝子に対して使用する言葉ですが、遺伝子に優劣があるという意味ではありません。
優性の形質は、両親から受け継いだ対立遺伝子のうち、子に必ず現れる方の形質です。
劣性の形質は、子に現れない方の形質です。
例えば、エンドウマメの実験では、種子の色は黄色が優性で緑色が劣性です。
黄色と緑色の対立遺伝子を持つエンドウマメ同士を交配すると、子は全て黄色になります。
これを優性の法則と呼びます。
「顕性潜性」とは?
遺伝子の特徴の現れやすさを示す言葉です。
顕性の形質は、両親から受け継いだ対立遺伝子のうち、子に必ず顕れる方の形質です。
潜性の形質は、子に顕れない方の形質です。
例えば、エンドウマメの実験では、種子の形は丸が顕性でしわが潜性です。
丸としわの対立遺伝子を持つエンドウマメ同士を交配すると、子は全て丸になります。
これを顕性の法則と呼びます。
「優性劣性」と「顕性潜性」の違い
「優性劣性」と「顕性潜性」の違いを、分かりやすく解説します。
「優性劣性」と「顕性潜性」の違いは、遺伝子の働きには変わりありませんが、表現の仕方が異なります。
優性劣性は、遺伝子に優れている、劣っているというニュアンスが含まれていますが、顕性潜性は、遺伝子が顕れる、潜むというニュアンスが含まれています。
顕性潜性の方が、遺伝子の特徴を客観的に表すことが可能です。
「優性劣性」の例文
・『優性劣性の違いなど、私には分からない』
・『優性遺伝と劣勢遺伝について理解することは大切だ』
「顕性潜性」の例文
・『血液型は、A型とO型の対立遺伝子がある場合、A型が顕性でO型が潜性だと言える』
まとめ
「優性劣性」と「顕性潜性」は、遺伝学の用語で、対立する形質の現れ方に関する言葉です。
しかし、「優性劣性」は、遺伝子に優劣があるという誤解を招く恐れがあるため、日本遺伝学会などで見直しの動きがあり、中学理科の教科書では「顕性潜性」に変更されたことで知られます。
それぞれの言葉を正しく使い分けられるようにしましょう。