「ただならぬ」と「ただ事ではない」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「ただならぬ」と「ただ事ではない」の違いとは?違い

この記事では、「ただならぬ」「ただ事ではない」の違いを分かりやすく説明していきます。

「ただならぬ」とは?

「ただならず」という言葉の連体形です。

連体形とは、名詞や形容動詞などを修飾する形のことです。

例えば、「ただならぬ雰囲気」「ただならぬ思い」のように、目に見えないものを表す言葉につけることが可能です。

この場合、「ただならぬ」という言葉の意味は、「普通でない」「ただごとでない」「それどころの程度ではない」「ひときわすぐれている」といったニュアンスを含みます。


「ただ事ではない」とは?

「ただ事」という言葉に否定の助動詞「ではない」がついた形です。

「ただ事」という言葉は、「何でもないこと」「平凡なこと」という意味を持ちます。

したがって、「ただ事ではない」という言葉の意味は、「何でもないことではない」「取るに足ることである」「平凡なことではない」という否定の意味を表します。

例えば、「ただ事ではない状況」「ただ事ではない事件」のように、目に見えるものを表す言葉につけることが可能です。

この場合、「ただ事ではない」という言葉の意味は、「重大である」「深刻である」「異常である」といったニュアンスを含みます。


「ただならぬ」と「ただ事ではない」の違い

「ただならぬ」「ただ事ではない」の違いを、分かりやすく解説します。

「ただならぬ」「ただ事ではない」は、どちらも「普通でない」という意味を持つ言葉ですが、「ただならぬ」は目に見えないものや抽象的なものに対して使われることが多く、「ただ事ではない」は目に見えるものや具体的なものに対して使われることが多いという違いがあります。

また、「ただならぬ」は古風な響きがあり、「ただ事ではない」は現代的な響きがあるという違いもあります。

「ただならぬ」の例文

・『彼女の顔色がただならぬ状態なので、すぐに病院に連れて行った』
・『ただならぬ雰囲気に、彼は身構えた』

「ただ事ではない」の例文

・『彼が突然辞職したと聞いて、ただ事ではないと思った』
・『この事件はただ事ではない。関係者全員に聞き込みをしなければならない』

まとめ

「ただならぬ」「ただ事ではない」は、どちらも「普通でない」という意味で使われる表現ですが、ニュアンスに違いがあります。

「ただならぬ」は、通常の範囲を超えているさまや、危険な状況であることを表します。

その一方で、「ただ事ではない」は、重要なことや問題が起こっていることを表します。

それぞれの言葉を正しく使い分けるようにしましょう。

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