この記事では、「凄まじい」と「凄惨」の違いを分かりやすく説明していきます。
「凄まじい」とは?
程度がはなはだしいさまを表す形容詞です。
恐ろしい、ものすごい、驚くほど激しい、ひどいといったニュアンスがあります。
動詞「すさ(荒)む」の形容詞化で、古くは「すさまし」とも言いました。
例えば、「凄まじい形相」「凄まじい台風のつめあと」「凄まじい反対の声」「凄まじい商売」などのように使います。
「凄惨」とは?
目をそむけたくなるほどいたましいこと、ひどくむごたらしいこと、またはそのさまを表す形容動詞です。
凄まじいよりも強い表現で、血なまぐさい、残酷な、悲惨なといったニュアンスがあります。
例えば、「凄惨な事件」「凄惨な光景」「凄惨な最期」「凄惨な戦争」などのように使います。
「凄まじい」と「凄惨」の違い
「凄まじい」と「凄惨」の違いを、分かりやすく解説します。
「凄まじい」と「凄惨」の違いは、凄まじいが程度の高さや強さを表すのに対し、凄惨が痛ましさや残虐さを表すという点にあります。
また、凄まじいは形容詞で、凄惨は形容動詞です。
したがって、文法的にも使い方が異なります。
「凄まじい」の例文
・『新幹線が凄まじい速さで通りすぎた』
・『まるで、彼だけが違う時間流のなかにいるかのような凄まじい反応だった』
「凄惨」の例文
・『それが凄惨ともいえるまでに酷烈の度をましたというだけであった』
・『凄惨な事件現場に遭遇してしまった』
まとめ
「凄まじい」と「凄惨」は、似たような言葉ですが、微妙な違いがあります。
「凄まじい」は、程度がはなはだしいさまを表す形容詞です。
恐ろしい、ものすごい、驚くほど激しい、ひどいといった感情や程度の意味があります。
その一方で、「凄惨」は、目を背けたくなるほどかわいそうで痛ましいことや、非常にむごたらしいことを表す名詞です。
ぜひ、それぞれの言葉を正しく使い分けるようにしましょう。