この記事では、「悪化」と「退廃(たいはい)」の違いを分かりやすく説明していきます。
「悪化」とは?
「悪化」とは、「状況や状態などが悪くなる」さまや「それまで良かったものが悪くなってしまう」様子などを示す言葉です。
文字が示すとおり「悪く化ける」などというニュアンスで用いられており、「少しずつに悪くなっていく」あるいは「悪い方向へ向かっている」などという意味合いで用いられている文言です。
「退廃」とは?
「退廃」とは、「あるものがすたれて衰えていく」さまや「街や場所などが荒れ果ててしまう」様子などを示す言葉です。
「それまで隆盛を誇っていた権力などを失ってしまう」もしくは「まったく賑わいがなくなる」などというニュアンスで使われている語句で、「落ちぶれる」ないし「著しい低下」などという語句が言い換え語として使用されています。
「悪化」と「退廃」の違い
「悪化」と「退廃」は、いずれも「良かった状態が失われる」などという意味合いで使われている言葉です。
「現状が悪くなる」などという共通した意味をもつ双方の語句ではありますが、「傷口が悪化する」という表現は「傷口が退廃する」とは言い換えることはできず、また「街が退廃する」という言い回しは「街が悪化する」とは言い換えることはできないので、両者の語句はそれぞれ異なる使い方をする文言であると言えます。
「悪化」の例文
・『景気の悪化が長らく続いていますがなかなか浮上する兆しが見えません』
・『病状が悪化していたと聞いていましたが、思ったよりも良い状態で安心しました』
「退廃」の例文
・『若い世代がどんどん去っていくことで少しずつ街は退廃していきます』
・『退廃的な雰囲気を感じさせる場末のバーを見つけました』
まとめ
「悪化」と「退廃」は、どちらも「前よりも荒れていく」などという意味合いで使われている言葉です。
使用する際にはそれぞれの語句がもっている微妙なニュアンスの違いに気をつけながら場面や状況などに応じて上手に使い分けるようにしましょう。