この記事では、「渋る」と「滞(とどこお)る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「渋る」とは?
「渋る」とは、「ことがなめらかに進まない」さまや「積極的な気持ちがなかなか起きない」様子などを示す言葉です。
「やるべきことがあるのに実行に移すことができない」または「あることが想像どおりに進行しない」などという意味合いで使われており、「思い迷う」ないし「尻込みする」などという語句と同じようなニュアンスで用いられています。
「滞る」とは?
「滞る」とは、「物事が思ったとおりに進まない」さまや「支払い期限になっても借りたお金を支払わない」様子などを示す言葉です。
「あることが計画どおりにはかどらない」あるいは「途中でつかえてしまう」などというニュアンスで使われており、「停滞する」もしくは「膠着(こうちゃく)する」などという語句とほぼ同様の意味をもつ表現として扱われています。
「渋る」と「滞る」の違い
「渋る」と「滞る」は、どちらも「予定していた物事などがなめらかに進まない」などという意味合いで使われている似たような文言と言えます。
「お金を出すのを渋る」という表現は「お金を出すのが滞る」ではなく、「お金の流れが滞る」という表現に言い換えることができますが、双方の表現のニュアンスは少々異なってしまうため、使い方には注意をする必要がある語句と言えます。
「渋る」の例文
・『お金を十分もっているのにも関わらず、いざという時に出し渋るのは粋ではありません』
・『取引先が返答を渋る理由はこちら側にあるかもしれません』
「滞る」の例文
・『新しい商品の流れが滞るのはあまりにも売れ行きが順調過ぎるからです』
・『ただならぬ問題が発生したことで物事の進行が滞る』
まとめ
「渋る」と「滞る」は、いずれも「順調にいかない」などという意味合いで使われている文言です。
使用する際にはそれぞれの語句がもっている微妙なニュアンスの違いに注意をしながら場面や状況などに応じてうまく使い分けるようにしましょう。