この記事では、「懐かしい」と「郷愁(きょうしゅう)」の違いを分かりやすく説明していきます。
「懐かしい」とは?
「懐かしい」とは、「以前感じたことがあるような温かい気持ちに包まれる」さまや「昔にもどったような気がして切ない感情などが沸き起こる」様子などを示す言葉です。
遠い昔に慣れ親しんでいた人や事柄などを思い出してさまざまな感情が起こるなどというニュアンスで用いられており、「古き良き」ないし「懐古的(かいこてき)」などという語句と似たようなニュアンスで使用されています。
「郷愁」とは?
「郷愁」とは、「故郷を懐かしく思う気持ちが沸き起こる」さまや「昔のことを思い出して物さびしさを感じる」様子などを示す言葉です。
「憂(うれ)い」や「悲しみ」などを表す「愁」という語は、故郷や残してきた両親などに対するもの寂しさや切なさなどを示しており、「郷愁の念」という言い回しは「故郷を懐かしく思う気持ち」を示す文言として用いられています。
「懐かしい」と「郷愁」の違い
「懐かしい」と「郷愁」は、いずれの語句も「昔を思い出す」などという意味合いで使われている似たような文言です。
日常会話などで使われている「懐かしい気持ち」は、ビジネスシーンなどでも使うことができる「郷愁の念」という語句に言い換えることができる言い回しで、意味はほぼ同じですが受け取る側の印象は少々異なっています。
また「郷愁」は「懐かしい」という語句にはない「故郷を思う」気持ちが含まれている文言として使われています。
「懐かしい」の例文
・『倉庫から高校時代の懐かしい卒業アルバムがでてきました』
・『同窓会で大変懐かしい面々と再会しました』
「郷愁」の例文
・『田舎に住んでいる両親と長らく会えずにいるので郷愁の思いに包まれています』
・『昔給食でよく食べたコッペパンをパン屋さんで見つけて郷愁を誘われました』
まとめ
「懐かしい」と「郷愁」は、どちらの語句も「ある感情が沸き起こる」などという意味合いで使われている似たような表現です。
使用する際には双方がもっているニュアンスの違いに気を付けながら、場面や状況などに応じて上手に使い分けるようにしましょう。