「啓蟄の候」と「春色の候」はいずれも時候の挨拶の一種ですが、意味や使う時期が異なるため注意が必要です。
この記事では、「啓蟄の候」と「春色の候」の違いを分かりやすく説明していきます。
「啓蟄の候」とは?
「啓蟄の候」は「けいちつのこう」と読む言葉で、3月5日頃から同月20日頃までに使用する時候の挨拶です。
二十四節気のひとつである「啓蟄」は「冬の間は地中にこもっていた虫たちが土から出てくる時期」を示し、「啓蟄の候」は「土の中で眠っていた虫たちも顔を覗かせる暖かい季節になりました」という意味で使用されています。
「春色の候」とは?
「春色の候」は「しゅんしょくのこう」と読む時候の挨拶で、3月中旬から同月下旬まで使われます。
「春色」は「春の気配」や「春の景色」などを示し、「春色の候」は「春の訪れが感じられる色鮮やかな季節になりました」といった意味で用いられています。
「啓蟄の候」と「春色の候」の違い
次に、「啓蟄の候」と「春色の候」の違いを分かりやすく解説します。
「啓蟄の候」は「土の中で眠っていた虫たちも顔を覗かせる暖かい季節になりました」という意味がある時候の挨拶で、3月5日頃から同月20日頃までに使用されています。
一方、「春色の候」は「春の訪れが感じられる色鮮やかな季節になりました」といった意味があり、3月中旬から同月下旬までに使用されます。
「啓蟄の候」の例文
「啓蟄の候」は、本格的な春が訪れる少し前の時期に使用されます。
ビジネスシーンや、目上の方への挨拶として用いることが可能です。
・『啓蟄の候、貴社におかれましてはますますご発展のこととお慶び申し上げます』
・『啓蟄の候、皆様におかれましてはご清祥にお過ごしのこととお祝い申し上げます』
「春色の候」の例文
「春色の候」は、草木が色づき春の到来を実感するような時期に使います。
こちらもビジネス分野や目上の人への挨拶として用いられます。
・『春色の候、貴社ますますご隆盛の由、大慶至極に存じます』
・『春色の候、〇〇様には一層ご活躍のこととお慶び申し上げます』
まとめ
「啓蟄の候」は「3月5日頃から同月20日頃までに使用する時候の挨拶」、「春色の候」は「3月中旬から同月下旬までに使用する時候の挨拶」になります。
両者の意味や使い方を理解して、適切に使い分けできるようになりましょう。
ぜひ参考にしてください。