この記事では、「親の心子知らず」と「子を持って知る親の恩」の違いを分かりやすく説明していきます。
「親の心子知らず」とは?
親が子を思う気持ちは子どもにはなかなか伝わらず、子どもは勝手気ままに振る舞うという意味のことわざです。
親子の関係についていう場合が多いですが、師匠や弟子、上司と部下といった関係で親子になぞらえて使うこともあります。
実際に親になってみないと、親の気持ちは分からないといった意味で用いられています。
「子を持って知る親の恩」とは?
子を持って知る親の恩とは、自分が親になり子どもを育ててみて初めて親の有難さが分かるという意味のことわざです。
中国の明時代に編まれた明心宝鑑という箴言集に由来しています。
明心宝鑑には、「子を養いて方めて父母の恩を知り、身を立てて方めて人の辛苦を知る」という一文があります。
「親の心子知らず」と「子を持って知る親の恩」の違い
親の心子知らずも子を持って知る親の恩も、親の気持ちが子どもには伝わりにくいことを意味することわざです。
子どもを持たないと親の心は分からないということを表しています。
親の心子知らずには勝手気ままに振る舞う子どもを咎めるニュアンスがありますが、子を持って知る親の恩にはそういったニュアンスはありません。
自分が子どもを持ち、親の有難さを知った情景を表しています。
「親の心子知らず」の例文
・『こんなに遅くまでほっつき歩いているなんて親の心子知らずだ』
・『親の心子知らずで、社会人になったばかりの頃は帰省なんてちっともしなかった』
「子を持って知る親の恩」の例文
・『子を持って知る親の恩というべきか、口うるさい母の小言は私を思えばこそだった』
・『子を持って知る親の恩というのは本当で、亡くなった両親は私のことをいつも気にかけてくれていた』
まとめ
親の心子知らずは親の子どもを思う気持ちは伝わりにくく子どもは勝手気ままに振る舞うという意味で、子を持って知る親の恩は自分が親になって初めて親の有難さが分かるという意味です。