昭和のビジネスマンにとっては季節ごとの挨拶状を関係者に送るのは基本的なルーチンワークの一つでした。
多くの人は夏と冬には挨拶状を欠かしませんでしたが、できる人は新年度が始まる春の挨拶を必ず行っていました。
そんな春の挨拶状の冒頭で使うのが「春陽の候」という表現です。
それでは、この「春陽の候」とはどういう意味でしょうか。
また、「陽春の候」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「春陽の候」と「陽春の候」の違いを分かりやすく説明していきます。
「春陽の候」とは?
「春陽の候」とは、一般的な春の時候の挨拶として使われる表現で、「春の温かい日差しの気候」という意味になります。
使えるのは春の中心である4月というのが普通です。
「陽春の候」とは?
「陽春の候」とは、一般的な春の時候の挨拶として使われる表現で、「暖かい春の気候」という意味になります。
使えるのはやはり春の真っ只中である4月になります。
「春陽の候」と「陽春の候」の違い
「春陽の候」と「陽春の候」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは、春に使われる時候の挨拶で文字もほぼ同じですが、どこに違いがあるのでしょうか。
この2つの違いを最も簡単に説明するなら、「春陽」の中心は「陽射し」であり、「陽春」の中心にあるのは「春という季節」ということになります。
したがって、手紙を出すときに実際に暖かくなり始めており、そのことを言いたいなら「春陽」を、気温よりは春という季節のことを強調したいと思っている場合には「陽春」を使うことになります。
「春陽の候」の例文
・『春陽の候、いかがお過ごしでしょうか』
・『春陽の候、ますますご繁栄のことと存じます』
「陽春の候」の例文
・『陽春の候、いかがお過ごしでしょうか』
・『陽春の候、ますますご繁栄のことと存じます』
まとめ
この記事では、「春陽の候」と「陽春の候」の違いを、解説してきました。
序文でも述べたように、これらの言葉は私たちの身近にあります。
この機会にこれらの正しい使い方を勉強しておきましょう。