この記事では、「塗炭の苦しみ」と「水火の苦しみ」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「塗炭の苦しみ」とは?
重たい泥水にのまれ、熱い炭火に包まれてしまう痛みを感じることを「塗炭の苦しみ」【とたんのくるしみ】といいます。
それほど全身がのまれると息が出来ないので、酷く苦しいと思う状態を表すのです。
元々は中国の書経からきている言葉であり、王様の愚かな行動により国民が炭火に落ちて苦労したという意味があります。
「水火の苦しみ」とは?
水に浸かり、火に包まれて酷く苦しむ状況を「水火の苦しみ」【すいかのくるしみ】といいます。
深い水の中に落ちては掴むものがないため溺れそうになり、やっと顔を出して息が吸える状態に加えて、熱い火で全身を炙られている熱さを感じては悶える様子を指すわけです。
それほど非常に酷い苦しさの中に入り込み、出られないという意味で使われています。
「塗炭の苦しみ」と「水火の苦しみ」の違い
ここでは「塗炭の苦しみ」と「水火の苦しみ」の違いを、分かりやすく解説します。
一度落ちればなかなか出られない泥水の中に落ちて悶えるは、炭火で全身を焼かれたような苦しみに悶えることを「塗炭の苦しみ」といいます。
もう一方の「水火の苦しみ」は、水や火は人を苦しめるように、とても辛い現状で苦痛に悶えるという意味で使われている言葉です。
「塗炭の苦しみ」は熱で炙られたような痛みを味わって苦しむ様を表し、「水火の苦しみ」は水にのまれて苦しみ、火に焼かれるように2度の苦痛に包まれるという意味で使われています。
「塗炭の苦しみ」の例文
・『塗炭の苦しみに悶える兄の姿を見て、救い出すため策を考えた』
・『自己中心の工場長の下で塗炭の苦しみを味わい続けた工員も解放された』
「水火の苦しみ」の例文
・『追い込まれた部下は、水火の苦しみも忍耐力で乗り越えた』
・『水火の苦しみを味わった妹は、人の痛みが分かるようになった』
まとめ
「苦しみ」という言葉に違いはありませんが、「塗炭」と「水火」に違いがある言葉です。
どのように使うかに目を向けて、うまく状況を伝えてみるといいでしょう。