ホイールローダーやトラクタなどのタイヤで動く工業機械や農業機械の駆動方式にはいくつかあって、「トルコン車」がその中の代表的なものです。
それでは、この「トルコン車」とはどういう意味でしょうか。
また、「HST車」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「トルコン車」と「HST車」の違いを分かりやすく説明していきます。
「トルコン車」とは?
「トルコン車」とは、「トルクコンバータ」を使用したオートマチックトランスミッションのことを指す名称です。
一般的には回転している2つの羽の間にオイルが充填されている構造になっています。
「HST車」とは?
「HST車」とは、「Hydraulic Static Transmission」の略で、ポンプを媒介にして無段階の回転数の増減をタイヤに伝える仕組みです。
「トルコン車」と「HST車」の違い
「トルコン車」と「HST車」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは、主に小型の工業、農業機械で使われてるオートマチックトランスミッションの方式のことですが、両者の間には包含関係があります。
この2つの違いを最も簡単に説明すると、オイルを利用して回転を伝えるのが「トルコン車」であると定義すると「HST車」はシリンダの移動によって動力を伝える仕組みを持った「トルコン車」であるということになります。
ただ、一般的な「トルコン車」がプロペラで動力を伝えることを前提にすると、ポンプを使うのが「HST車」、プロペラを使うのが「トルコン車」と定義することもできます。
また、大きな違いとして「トルコン車」はブレーキを離すと動き出すが「HST車」は動き出さないというものもあります。
「トルコン車」の例文
・『トラクタの「トルコン車」は乗用車にも使われている「トルクコンバータ」が使われています』
・『「トルコン車」のトランスミッションにはオイルが使われます』
「HST車」の例文
・『「HST車」は原理的には「トルコン車」の一種といえます』
・『「HST車」は回転数を上げるのが比較的難しい仕組みです』
まとめ
この記事では、「トルコン車」と「HST車」の違いを、解説してきました。
今回説明してきた2つの方式はどちらも乗用車でいう「オートマ」のトランスミッションのことで、トラクタなどでもこれ以外にギヤを変速機で変更する「マニュアル車」も存在します。
マニュアルは乗用車と同じようにトルクを自分でコントロールできるので、乗用車以上に人気があります。