「総体的」と「相対的」はどちらも「そうたいてき」と読みますが、具体的にどのような意味の違いで使い分けられているのでしょうか。
この記事では、「総体的」と「相対的」の違いを分かりやすく説明していきます。
「総体的」とは?
「総体的」とは、「物事の全体」を意味する言葉です。
ある物事について考える時に細かい部分や各所に注目するのではなく全体を大まかにとらえることを意味します。
細かいところを見れば不満点や問題点があるなど「個別的」なとらえ方に対し、各部分の細かい点を別々に判断するのではなく全部の要素を総合的に扱い全体で考えることを「総体的」と表現します。
「相対的」とは?
「相対的」とは、「他のものと比べた時にそうであるさま」を意味する言葉です。
単独では成立せず他のものとの比較によって成立する様子を表します。
「他の人よりも優秀だ」「他の商品に比べると安い」など物事が他の存在との関係によって成立する場合に使われる表現です。
他のものと比較して示す場合に使われる言葉なので優劣や大小など基準となる尺度に当てはめて判断できる物事に対して使います。
判断基準が異なる物事や価値の比べようがないものに対しては使いません。
「総体的」と「相対的」の違い
「総体的」と「相対的」の違いを、分かりやすく解説します。
「総体的」と「相対的」の違いは「比較」です。
「総体的」は物事の細かい部分に注目するのではなく全体で考えることを意味する言葉なので考えの対象が1つだけでも成立します。
「相対的」は他と比べることで成立する表現なので比較対象も含めて2つ以上の物事がないと成立しません。
「総体的」の例文
・『総体的に考えて判断する』
・『細かいことにこだわらず総体的に考えるべきだ』
「相対的」の例文
・『どちらも甲乙つけがたいが相対的にはA案を支持する』
・『相対的な評価なので差がついてしまうのは仕方がない』
まとめ
「総体的」と「相対的」は同じ読みでも意味は全く違います。
混同を避けるため「総体的」を「全体的」と言い換えることも多いので覚えておきましょう。