化学メーカーの技術の粋から生まれたハリスの違いを解説!
この記事では、「ナイロンハリス」と「フロロカーボンハリス」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ナイロンハリス」とは?
国内初のナイロンによる釣り糸が誕生したのはまだ戦後まもない1947年のことでした。
『東洋レーヨン』時代の『東レ株式会社』の開発した独自のナイロン6による「銀鱗」が登場しています。
その後『ラーヂテグス本舗』による「ハリスライカ」が登場。
ただし同品は「銀鱗」の市販品に手を加えたものです。
いずれにせよ1960年代を前に「ナイロンハリス」は一般的になったとも言えるでしょう。
「フロロカーボンハリス」とは?
東京都中央区に本社を構える『株式会社クレハ』が1971年に世界初のポリフッ化ビニリデンによる釣り糸を開発。
そのブランド名「シーガー」は家庭用品の「NEWクレラップ」と並ぶ同社の顔的存在だと言っていいでしょう。
その性質は同社の看板商品のラップに準じたものになりました。
クレハロンことポリ塩化ビニリデンからクレラップは生成されていますが、それにフッ素を加えてフッ化させたのがポリフッ化ポリニデンだからです。
それゆえに耐熱性に優れ、水を吸わないのは言うまでもありません。
また比重が重い分、当然着水から沈降は速いと言えるでしょう。
「ナイロンハリス」と「フロロカーボンハリス」の違い
「ナイロンハリス」と「フロロカーボンハリス」の違いを、分かりやすく解説します。
「ナイロンハリス」は『東洋レーヨン』が既に戦時中に完成していたナイロン=アミランを使ったテグス。
無色透明であるため、ハリスにも使っていた方が多いのは間違いありません。
実際に初めて商品化されたのは別会社が同社の商品を加工したものでした。
一方の「フロロカーボンハリス」は『クレハ』が1971年に独自の技術を用いて開発したのがその始まりです。
実際の釣りの現場ではハリスには圧倒的に後者を用いる機会が多いのではないでしょうか。
選ぶ理由は人それぞれではありますが、水を吸収しないためハリスが白濁化せず、その屈折率の高さから水に溶け込み、魚に察知されにくいメリットがあります。
また運用面では「ナイロンハリス」が吸水により柔らかくダレて他のエダスと絡んで解くのに労力を割く時間などの事態を避ける事ができるでしょう。
まとめ
「ナイロンハリス」と「フロロカーボンハリス」では四半世紀に渡る歴史の違いがあり、後者が後発なのは言うまでもないでしょう。
両者ともに『東レ』と『クレハ』と世界的化学メーカーがその草分けとなる商品を発売しています。
比重率、吸水性、光の屈折率などで大きな違いがあり、そのプラス面から「フロロカーボン」は「ナイロン」よりもハリスに多く使われていると言えるでしょう。