この記事では、「俤」と「面影」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「俤」とは?
「おもかげ」と読む「俤」は、日本人のみが「面影」といった意味で使う漢字です。
愛する家族が亡くなった後、「妹の俤を思い出す」といったように、自分の心の中に残る人の顔を思い出すときに使います。
元々は参考になる者と、弟の姿は区別がつかないほど似ているといったところからきている漢字です。
主に、顔つきが似ているという意味が込められています。
「面影」とは?
亡くなった人の顔を思い出しては心を痛めたり、偲ぶことを「面影」【おもかげ】といいます。
例えば、交通事故で亡くなった兄は背が高く、凛々しい顔を思い出しては懐かしい気持ちになったり、怪我して泣いた自分を慰めてくれて、家まで送ってくれた優しい気持ちを今いちど偲ぶのです。
顔を意味する「面」が水に映る姿という意味合いがある「影」を掛け合わせた言葉になります。
「面影」と「俤」の違い
「面影」と「俤」の違いを、分かりやすく解説します。
親や兄弟、友人、恩師といった生前によくやり取りしていた人の姿を思い出しては偲ぶことを「面影」といいます。
すでにこの世には存在しない人や動物を懐かしむといった意味があり、目の前にいないが、記憶にしっかり残るものを指して懐かしい気持ちになるのです。
もう一方の「俤」は国字であり、日本人のみが「おもかげ」と呼ぶ漢字です。
「面影」と同じ読み方と意味にはなりますが、中国では名前に使う漢字となっています。
「俤」の例文
・『好きな男性の俤が30年経っても忘れられない』
・『愛する犬の俤が目を閉じると蘇り、涙が出る』
「面影」の例文
・『彼女の面影がふと目に浮び、辛い気持ちになる』
・『人の面影が脳裏に浮び、また会ってみたいと思う』
まとめ
読み方が同じ言葉を2つご紹介しましたが、より心が感じられる言葉は「俤」と書き、姿を強調したいときは「面影」を選ぶといいでしょう。