この記事では、「時価総額」と「純資産」の違いを分かりやすく説明していきます。
「時価総額」とは?
「時価総額」とは、企業の株式市場における価値を表す指標の一つで、上場企業で公開されている株式数にその時点での株価を掛け合わせたものとなります。
「時価総額」は、上場株式の数が少なくて株価が高い場合と上場株式の数が多くて株価が低い場合を単純に比較できます。
株式市場では、「時価総額」に基づいてその企業の客観的な規模や評価することが一般的です。
「純資産」とは?
「純資産」とは、返済する義務のない資産のことで、企業の総資産から他人資本である総負債を引いた金額です。
企業の総資産には、他人から借りてきたお金や不動産などの固定資産、流動資産、資本などを含み、現金化することが可能な全ての有価物を含みますが、「純資産」はそこから他人から借りてきたお金を引くことで、その企業が健全な経営ができているかどうかや財務的なリスクを評価するために使われる重要な指標となります。
「純資産」は、総資産よりも総負債が大きくなればマイナスになり、債務超過と呼ばれる状態になります。
債務超過の状態が長く続けば倒産するリスクも高くなるため、改善していく必要があるわけです。
また、株式資本は負債ではなく、株主が企業に出資した資本金となるため、「純資産」に含まれることに注意が必要です。
「時価総額」と「純資産」の違い
「時価総額」と「純資産」の違いを、分かりやすく解説します。
「時価総額」は、企業の株式市場における価値を表す指標の一つなのに対し、「純資産」は、返済する義務の無い資産のことで総資産から総負債を引いた金額という違いがあります。
「時価総額」と「純資産」は、独立した指標となるので、必ずしも一致しませんが、「純資産」が債務超過やそれに近い状態に陥り、新商品の売り上げなどで改善がみられる可能性が無い場合には、株価が下落して「時価総額」が下がる可能性があります。
また、「純資産」が潤沢であっても未来の売り上げに繋がらない場合には、利益が出せないため、株価が下落することも考えられます。
まとめ
「時価総額」と「純資産」の違いについて説明しました。
「時価総額」は、株式数と株価を掛け合わせたものです。
「純資産」は、総資産から総負債を差し引いたものです。
「純資産」には、株式資本が資産として含まれるため、負債ではないことに注意が必要です。