この記事では、「奉書紙」と「画仙紙」の違いを分かりやすく説明していきます。
「奉書紙」とは?
奉書紙は、ほうしょがみ、或いは、ほうしょしと読まれる言葉です。
室町幕府が公文書に用いる紙として採用していて、命令書を意味する言葉である奉書からこの奉書紙という呼び名が生まれたと考えられます。
そんな奉書紙は、コウゾを原料として作られた和紙を表すのです。
紙の表面に皺がなくつるっとしていて、基本的に純白で上質な紙質であり、現在では色紙として使われる事が多い紙となっています。
「画仙紙」とは?
画仙紙は、がせんしと読むべき言葉です。
漢字で記されたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事となりますが、絵の道において特に優れている人といった意味の画仙の漢字に、植物等の繊維を絡ませつつ薄く平たく成形したものといった意味がある紙の漢字を組み合わせる事で完成した言葉となっています。
以上の事から画仙紙は、白色大判の書画のために利用される用紙を示すのです。
元々は中国から輸入されていた紙ですが、日本でも生産される様になった事で、中国で作られたものを本画仙、日本で作られたものを和画仙という風に区別したりもします。
「奉書紙」と「画仙紙」の違い
奉書紙と画仙紙の漢字表記を比べてみると、奉書と画仙という漢字の違いがある事に気付けるものです。
所が最後の漢字は同じ紙であり、どちらも良質な紙として、現在では色紙として使われていたりします。
とはいえ違いも見られ、奉書紙は、コウゾを原料としている表面がつるっとした和紙を表すのです。
一方の画仙紙は、中国で生まれた白色大判の用紙であり、表面が少しざらっとしているものを示します。
まとめ
2つの言葉は共通する漢字の通り、現在では色紙等として使用されている紙を指し示す言葉同士です。
ただし同じ紙とはいえ成り立ちや性質に違いがあり、奉書紙はコウゾを原料として作られる和紙で、表面がさらっとしているのが特徴となっています。
対する画仙紙は、中国原産の書画の用紙であり、こちらは表面が少しざらっとしているのです。