機械に必要な油として「作動油」と「潤滑油」があります。
2つの油はそれぞれどのような役割を担っているのでしょうか。
今回は、「作動油」と「潤滑油」の違いを解説します。
「作動油」とは?
「作動油」とは、「動力を伝達する油」を指す言葉です。
「作動油」の使い方
容器の中に油を満たし圧力を加えることで力を伝達する仕組みのことを「油圧」といいます。
油圧を利用すると小さな力を大きな力へと変換できることから産業機械や重機など大出力を必要とする機械では欠かせない装置です。
油圧装置で使われる力を伝達するための油が「作動油」です。
油圧装置の動作に関わる重要な油であり本来の性能を発揮するためには定められた油を適切に補充し質も量も規定水準を維持する必要があります。
「潤滑油」とは?
「潤滑油」とは、「滑りを良くし摩耗を防ぐための油」です。
「潤滑油」の使い方
機械装置の可動部分は部品同士がこすれ合うためそのまま使用すると部品がどんどん摩耗し最終的には正常に動作しなくなってしまいます。
接触する部品同士の摩耗を防ぐため滑りを良くするのに使う油が「潤滑油」です。
「潤滑油」を使用することで摩擦が低減し可動部の動きがスムーズになります。
動きが滑らかになるため一部分にだけ負荷がかかることもなくなり機械装置の寿命が延びます。
「作動油」と「潤滑油」の違い
「作動油」と「潤滑油」の違いは「目的」です。
「作動油」は油圧装置で動力を伝達する役割の油なのに対し「潤滑油」は可動部分の滑りを良くする役割の油です。
「作動油」はシールされた油圧装置内に封じ込められる形で使われるためメンテナンスの時以外は見えませんが「潤滑油」は可動部分に注油する形で使用するので外からでも確認できます。
「作動油」の例文
・『作動油がないと油圧装置を使えない』
・『作動油の状態をチェックする』
「潤滑油」の例文
・『チェーンに潤滑油を差す』
・『潤滑油のおかげでスムーズに動いた』
まとめ
「作動油」と「潤滑油」は役割が異なる別の油です。
それぞれ専用の油があり間違えると故障につながるので必ず確認してから使用してください。