絵画に関する言葉として「クロッキー」と「模写」があります。
この2つはそれぞれ何を意味しどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「クロッキー」と「模写」の違いを解説します。
「クロッキー」とは?
「クロッキー」とは、「対象物を素早く描くこと」を意味する言葉です。
「クロッキー」の使い方
絵を描く時にじっくり時間をかけて描くのではなく、できるだけ速く手を動かし短時間で描き上げる描き方を指します。
日本語では「速写」といい細密な描写や正確性よりも素早さを重視した描き方です。
対象物の姿形を素早く写し取るため描き込みは最低限で、一般的には大まかに形をとらえた線描で描き10分以内に完成します。
基本的に技術上達のための練習として行われるもので例外を除き完成作を仕上げる手法としては用いられません。
「模写」とは?
「模写」とは、「見たままを写し取って描くこと」を意味する言葉です。
「模写」の使い方
独創性や創作性などを加えず目で見たそのままの姿を写し取って描くことを指します。
見ながら真似して描くことを表す言葉ですが、一般的にモチーフを見て描く静物画は含まず他人の作品を見てそっくりに描くコピーや複製に近い描き方のことを「模写」と呼びます。
「クロッキー」と「模写」の違い
「クロッキー」が素早く描くことを表すのに対し「模写」はそっくりに写し取って描くことを表す言葉です。
ある作品を見ながら短時間でそっくりに描き上げれば「クロッキー」であり「模写」でもあります。
どちらも絵画技術の向上を目的にした練習として実践されることが多く、モチーフを捉えるスピードや描く速さを鍛えるのが「クロッキー」で真似て描くことを通じて他人の技術を学ぶのが「模写」です。
「クロッキー」の例文
・『美術の授業でクロッキーを書く』
・『クロッキーなので大雑把で構わない』
「模写」の例文
・『名画を模写する』
・『大塚国際美術館は模写専門の美術館だ』
まとめ
「クロッキー」と「模写」は全くの別物です。
それぞれどんな描き方を表しているのかを正しく繰り返し区別してください。