この記事では、「遊牧」と「移牧」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「遊牧」とは?
家畜の食料となる草を求めて草原を移動しながら生活するのが「遊牧」【ゆうぼく】です。
人は馬を乗りこなし、草原に放牧する家畜と共に移動し、食料がある場所で食べさせて大きくなると乳を搾ったり、肉は料理にして食べます。
毛皮は衣類にして着るといった昔ながらの知恵を大事にして生活しているのです。
とくに、雨がほとんど降らないモンゴルの地は農地にならないので、家畜生活が基本となります。
草が無くなる前に移動するためいつでも解体できる骨組みと布を使ったゲルで生活するわけです。
「移牧」とは?
地中海では冬の寒い時期になると家畜と共に山の麓に住み、夏になれば標高が高い場所で放牧して草木を食べさせ、肉と乳で生活する酪農して生きることを「移牧」【いぼく】といいます。
気温が高くなる夏は暑さに弱い牛や羊の健康を考えて、人間も一緒に気温が低くなる場所に移り住み、生活するのです。
反対に、気温が低い冬は草木が生えにくいため下山するといった生活を繰り返します。
主に、垂直移動を取り入れている人々の暮らしを指す言葉であり、より家畜の飼育に適した環境を求めて暮らし、成長をうながすわけです。
「遊牧」と「移牧」の違い
「遊牧」と「移牧」の違いを、分かりやすく解説します。
草を追い求めて、人間も家畜と一緒に移動しながら簡単なテントを張って住む人々の暮らしを「遊牧」といいます。
家畜の食料となる草が無くなればまた移動し、家を組み立てては生活するのです。
紀元前9世紀にはすでにユーラシア大陸では「遊牧」が始まり、乾燥して水が干上がる季節でも無理なく生活するために取り入れた生活様式でした。
もう一方の「移牧」は、寒い時期には気温が高い標高が低い場所に住み、暑くなれば気温が低くなる場所に家畜と移動して暮らします。
まとめ
移動して生活するところは同じですが、草が無くなる前に住む場所を変えるか、季節によって垂直移動して暮らすといった違いがあると覚えておくといいでしょう。