「ロマネスク」と「ゴシック」の違いとは?分かりやすく解釈

「ロマネスク」と「ゴシック」の違いとは?違い

この記事では、「ロマネスク」「ゴシック」の違いを分かりやすく説明していきます。

「ロマネスク」とは?

「ロマネスク」とは10世紀から12世紀まで西ヨーロッパで広まっていた様式です。

元々は半円形のアーチやかまぼこ型の天井であるヴォールトなどが特徴的な建築様式を指しましたが、次第にロマネスク建築が流行っていた頃の彫刻や絵画などの芸術あるいは文学を指す言葉に広がりました。

古代ローマの影響を受けた建築様式なのでロマネスクと名付けられましたが、建築以外の分野においてはゲルマンやビザンティンなど様々な国の影響を受けており、宗教美術の色が強いのが特徴です。


「ゴシック」とは?

「ゴシック」とは12世紀後半から15世紀まで広まっていた様式です。

ゴシックが廃れたルネサンス期に、細長い尖頭アーチや細い柱など高さと細さが特徴的なルネサンス前の建築様式を侮蔑的な意味でそう呼んだのが始まりですが、中世風の様式を広く指す言葉に意味が広がりました。

とはいえ中世も長く時代によって文化も違うので、ゴシックも曖昧な定義で使われていましたが、暗黒期のイメージから退廃的で暗いイメージをモチーフにした文学作品が流行したことから、現在では闇や神秘性や退廃的などがゴシック的な要素と扱われています。


「ロマネスク」と「ゴシック」の違い

「ロマネスク」「ゴシック」の違いを、分かりやすく解説します。

10世紀から12世紀までのヨーロッパで広まっていた建築や芸術的な様式が「ロマネスク」で、12世紀後半から15世紀まで北西ヨーロッパで広まっていた建築や中世風な様式が「ゴシック」です。

建築様式的には両方しっかりとした特徴がありますが、それ以外に関しては「ロマネスク」は美術的には宗教の要素が強い特徴という定義があるのに対し、「ゴシック」は定義が曖昧なのが特徴と言えます。

まとめ

「ロマネスク」は10世紀から12世紀のヨーロッパ風、「ゴシック」は後世がイメージした12世紀後半から15世紀のヨーロッパ風と考えれば区別できるでしょう。

今でこそゴシックは黒くて退廃的というイメージが定着していますが、歴史的に見るとロマネスクの方が定義がはっきりしています。

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