この記事では、「セルロース」と「デンプン」の違いを分かりやすく説明していきます。
「セルロース」とは?
「セルロース」とは、「植物の細胞壁、繊維の主成分であり、天然の高分子化合物の一種」です。
全ての植物はこの「セルロース」を含んでおり、地球上で最もたくさん存在する炭水化物とも言われています。
特に豆類やごぼうなどの野菜に多く含まれており、「セルロース」は水に溶けず、人間の体で消化分解することはできません。
「セルロース」は再生繊維やセルロイド、レーヨン、綿火薬、皮膜形成剤など色々な形で人々の生活に利用されています。
「デンプン」とは?
「デンプン」とは、「植物の光合成により作られる炭水化物」です。
「デンプン」は「アミロース」と「アミロペクチン」から構成されており、「グルコース」、つまり、「ブドウ糖」が多数つながった構造を持っています。
また、「デンプン」には「糊化」と「老化」という作用があり、「糊化」は「デンプン」に水を加え、加熱することにより、デンプン粒全体が膨張する現象です。
対して、「老化」は糊化した後の「デンプン」が冷却され、結晶状態に戻ろうとする現象のことを指します。
「デンプン」として有名なものには、カタクリを原料とする「片栗粉」やトウモロコシを原料とする「コーンスターチ」などがあり、その他、原料となる植物には小麦や米、豆類、イモ類、ワラビ、ヤシ類などが挙げられます。
「セルロース」と「デンプン」の違い
「セルロース」と「デンプン」の主な違いは構造式にあります。
「セルロース」は分子を連結している酸素の結合の向きが「↑↓↑↓」のように上下互い違いになっています。
対して、「デンプン」は分子を連結している酸素の結合の向きが「↓↓↓↓」のように全て同じになっています。
まとめ
「セルロース」と「デンプン」の主な違いは分子を連結している酸素の結合の向きにあるということでした。