この記事では、「アゴーギク」と「ルバート」の違いを分かりやすく説明していきます。
「アゴーギク」とは?
音楽に豊かな人間の表情に似た表現をつけるため、速度変化を微妙に変えていくのが「アゴーギク」です。
ドイツ語で“Agogik”と書くこの微妙な速さを変えていく独特な吹き方は、フーゴー・リーマンという19世紀に登場した音楽の理論を掲げる者により、演奏するときの音の表し方を指します。
例えば、前に奏でたフレーズを繰り返すときは単調にならないよう自分なりに色を付けて魅力的に弾く、吹くといったやり方が必要になってくるのです。
一人で奏でるピアノソロで演奏するときはDをゆっくり吹き、Eは速く吹くと変えればより聴く人を魅了する音楽になります。
「ルバート」とは?
ただテンポよく演奏するのではなく、速くしたり、遅くして奏でるのが「ルバート」です。
正式には“tempo rubato”とイタリア語で書き、テンポ・ルバートと読んで盗まれた時間と表します。
演奏家が自らどこでどう吹くか細かい部分にまで拘り、加減して歌う方法を指す言葉です。
一つのテンポ技法として心を込めながら歌詞を歌ったり、声を高らかに張り上げるといった自由な表現で聴く人をうっとりさせて魅了します。
また、強弱法といったデュナーミクを取り入れて、即興的に色を付けて歌い上げるのです。
「アゴーギク」と「ルバート」の違い
「アゴーギク」と「ルバート」の違いを、分かりやすく解説します。
演奏者は楽器を奏でるとき、どこをどうスローテンポにすればいいか、次はテンポを速くするかを考えて演奏するのが「アゴーギク」です。
不自然にならないよう効果的な演奏方法の中に「ルバート」が取り入れられています。
主に、速度変化させながら演奏するやり方を指すわけです。
もう一方の「ルバート」は全体的にどこでテンポを遅らせたり、速めるか歌い手はその場で考えては披露します。
時代の流行をいち早く受け止めたり、会場の広さや客層といったものを見て、どう歌えばより心を掴む歌い方ができるか自分なりにテンポを考えるやり方を指すのです。
まとめ
演奏したり、歌うとき自分なりのやり方を取り入れるとより人を魅了する2つの表現方法をご紹介しました。
異なる点を比較して、うまく歌ったり、演奏できるよう学んでみましょう。