旧大陸と新大陸のイノシシの違い?
この記事では、「ペッカリー」と「イノシシ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ペッカリー」とは?
メキシコ以南中南米・南米に多く生息するのが「ペッカリー」です。
1999年に日本代表が招待チームとして参加したサッカー南米選手権のマスコットが「チャコペッカリー」をモチーフにしたキャラクターであった様に中南米・南米ではポピュラーな動物だと言えるでしょう。
その外見から日本では「ヘソイノシシ」の呼称もありますが、その実はイノシシ科の生物よりは小柄です。
またその皮は革製品に使われる事で有名。
その一方で前述した「チャコペッカリー」は絶滅危惧種に指定されています。
「イノシシ」とは?
「ペッカリー科」とともに猪豚亜目を構成する「イノシシ科」16種類の総称。
日本では良悪それぞれのイメージを持つ動物だと言っていいでしょう。
良いイメージは摩利支天の眷属や十二支の1つが挙げられます。
悪いイメージは田畑を荒らす害獣や山で遭遇した際の危険動物としてが代表的。
また良くも悪くも使われる猪突猛進の語源や「ブタ」の祖先としても知られています。
また幼獣の「ウリ坊」はその可愛らしい外見から様々なマスコットや店名に使われており『国立神戸大学』の「神大うりぼー」は公式マスコットとして特に有名だと言えるでしょう。
「ペッカリー」と「イノシシ」の違い
「ペッカリー」と「イノシシ」の違いを、分かりやすく解説します。
外見で言えば「ペッカリー」を含む3種は「イノシシ」と比べると小柄。
また外見では肢端の指が減っているのが特徴的だと言えるでしょう。
「イノシシ」は肢端の指は4本です。
また前者は牛や鹿などの反芻獣や同じクジラ偶蹄目のカバの様に複数の胃を持ちますが「イノシシ」は1つの胃袋しか持っていません。
この事は「イノシシ」を改良した身近な家畜である「ブタ」からも明らかでしょう。
まとめ
ともに猪豚亜目ですが、それぞれ科として存在。
ペッカリー科は3種、イノシシ科は16種から成ります。
また「ペッカリー」はいわゆる新大陸であるアメリカ大陸「イノシシ」は旧大陸であるユーラシア大陸とかつては棲み分けができていました。
しかし人為的な移入により「ペッカリー」は棲息域を冒されているのが現状と言えるでしょう。
身体の作りも様々な部分で相違点があり、代表的なのは「ペッカリー」は複数胃で「イノシシ」は単胃な点です。
この他肢端の指数が「ペッカリー」は少ないのが特徴。
一方の「イノシシ」は4本をその祖先の時代から維持しています。
また人との関わり方としては「ペッカリー」は食用よりもその皮が革製品として重視されます。
「イノシシ」は人に飼いならされ、食用に特化した「ブタ」へと品種改良されていきました。