この記事では、「結城紬」と「大島紬」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「結城紬」とは?
糸から「結城紬」【ゆうきつむぎ】になるまで実に20もの工程を取り入れて作ります。
つくしに糸を巻くために、繭を煮る工程から袋状にして、それをさらに四角にするため真綿を広げていくわけです。
この真綿は350枚もの綿によって一つの糸にするため、完成するまでにかなりの日数がかかります。
糸紡ぎした後は一部だけに色が染まってしまわないよう緯糸と経糸にして、括るため印をつけるのが大事な作業です。
そして、糸を強めに力を入れて括る工程を経て、歴史ある織機を使いながら腰当に経糸を結んでいきます。
腰を屈伸させて織りながら微妙に調整するのに体力がかかる仕事です。
当時は浅黄や藍、鼠色といった素朴な色が大半でした。
「大島紬」とは?
生産数が多い「大島紬」【おおしまつむぎ】は、暖かい大島の気候に合わせて織られている着物です。
湿気や気温が高い場所でも着られるよう薄く織られていて、洗いやすく丈夫に作られています。
ごわつきがなく、滑らかな餅模様が施されています。
目が覚めるような明るい色を採用しているところも魅力の一つとなる着物です。
色を出すときは車輪梅というテーチ木の液を使い、染めるときは泥と共に鮮やかな色を出します。
餅括りするときは締端が必要となるのも「大島紬」の製造では重要な工程です。
「結城紬」と「大島紬」の違い
「結城紬」と「大島紬」の違いを、分かりやすく解説します。
繭を紡いで1本の糸にする糸紡ぎや餅括り、機械を使って織り上げる機織りで作られる着物を「結城紬」といいます。
この3つの工程ができる人も減り、織れる機械の台数も少ないため作れる数が少ないため希少性が非常に高い紬となり、国の重要無形文化財として認定されました。
作り方は独特で、地べたに座りながら地機で織り、太い綿糸で餅柄を紡いだ後に防染していきます。
もう一方の「大島紬」は腰掛けという織り機に座って織るとき、餅括りの際に締端を使って仕上げるのです。
「結城袖」よりも「大島紬」の方が餅模様は色鮮やかで、繊細に出ています。
また、温暖な気候でも蒸れずに着られるよう薄く織られているところも魅力です。
「結城紬」は厚めに作られているので寒い季節でも着られる着物になります。
まとめ
日本で織られている着物を2種類ご紹介しましたが、織り方や工程、柄、色など様々なところに違いが見られます。
画像や動画といったもので異なる点を見つけてみるといいでしょう。