その暴れぶりはまさに海獣?
 この記事では、「トド」と「オットセイ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「トド」とは?
 アシカ科トド属で本種だけでトド属を構成します。
 水族館で飼育展示されている同種と同一種とは思えないほど野生下では巨体と敏捷性を兼ね備えた動きを見せます。
 1960年代にはF86セイバーの機銃掃射で駆除されていたのは有名な話だと言っていいでしょう。
 現在でも海のギャングの座をシャチと争うほど。
 北海道では漁業被害が例年甚大な額になっています。
 一時期、根室海峡ではその数が大幅に減った事で知られていました。
 しかし米国やロシアの保護政策により近年では生息数が大幅に回復。
 亜種一種以外はレッドリストの絶滅危惧種から除外されています。
 駆除された個体は北海道名物の珍味「トドカレー」の原料となり、昭和の時代から珍品として有名です。
「オットセイ」とは?
 アシカ科で「キタオットセイ」と「ミナミオットセイ」の二属の総称になります。
 名前通りに「キタオットセイ」は北太平洋、「ミナミオットセイ」は南半球のアフリカ、オーストラリア南岸に広く生息しています。
 ハーレムを形成する習性があるためか、日本では古来より精力剤のシンボルと しても有名。
 かの徳川家康公に献上された記録も残されているほどです。
 現代の日本ではアシカよりも小さい体躯から水族園や動物園で飼育展示されている個体も多く、芸を仕込まれてアシカやイルカと並ぶスターとなっていると言えます。
「トド」と「オットセイ」の違い
「トド」と「オットセイ」の違いを、分かりやすく解説します。
 まずは決定的に体躯からして違うのは一目瞭然。
「トド」は雄は3メートルを超える巨体に加え、雌でも3メートルに近いサイズまで成長します。
 体重は1トンを超えるものもザラです。
「オットセイ」は全長最大で2メートル強、雌は1. 5メートル程度までにしかなりません。
 体重もせいぜい250キロ強、雌に至っては50キロ程度だと言えるでしょう。
 最大種の「ミナミアフリカオットセイ」でも上記の「キタオットセイ」のサイズを僅かに上回るばかりです。
 またそれ以外の外観では「オットセイ」はアシカ同様ビロード状の光沢感ある長毛が特徴的。
 一方の「トド」は茶色い短毛種であると言えるでしょう。
まとめ
「トド」はアシカ種の最大種で「オットセイ」との違いは外観から一目瞭然。
 巨大な体躯で北海道の漁業被害をもたらす様はまさに海獣だと言っていいでしょう。
「オットセイ」はアシカ種でも艶のあるフサフサとした長毛から外観だけでアシカの仲間と判断できると思われます。
 また顔つきはアシカ同様鼻が長く、耳たぶが長いのも特徴的だと言っていいでしょう。



