「人虎伝」と「山月記」の違いとは?分かりやすく解釈

「人虎伝」と「山月記」の違いとは?分かりやすく解釈違い

この記事では、「人虎伝」「山月記」の違いを分かりやすく説明していきます。

「人虎伝」とは?

人虎伝とは、中国の唐の時代に書かれた「李徴」という伝記小説を脚色して誕生した物語です。

清朝の説話集である「唐人説薈」の中に登場します。

李徴という人物が突然発狂して虎に変貌してしまう姿を描いています。

中国には人間が虎に変化する説話が色々ありますが、その中でも「李徴」は優れた作品でした。

そのため脚色され人虎伝として広く伝わったのです。

作者は李景亮という官吏とされますが、断定はできていません。


「山月記」とは?

山月記とは作家として知られる中島敦の短編小説で、1942年に発表されました。

中島敦のデビュー作であり、代表作でもあります。

山月記は、人間から虎になってしまった李徴という男が袁?という友人に自分の身の上を語る変身譚になります。

人虎伝を元にしていますが、中島敦の創作も盛り込まれた作品となっています。

山月記は国語の教科書等にも取り上げられており、よく知られている作品です。


「人虎伝」と「山月記」の違い

山月記は、人虎伝を元にして書いた中島敦の小説です。

大まかなストーリーは同じですが、細かいところに違いがあります。

一番大きな違いは、李徴が人間から虎になってしまった理由です。

人虎伝では李徴が寡婦と付き合ってその一家を焼き殺したというエピソードがあり、その因果応報により虎になったとされます。

ちなみにこのエピソードは、元の伝記小説「李徴」には存在していません。

山月記の場合には、李徴自身の自尊心や羞恥心が関係していて李徴の内面に原因があります。

また、人虎伝では李徴が袁?に詩を書きとってもらうシーンがありますが、袁?はその詩に感嘆します。

山月記の場合には、詩は素晴らしいけれど物足りないと評価しているところが違います。

まとめ

山月記は、人虎伝を元に書かれた小説です。

人虎伝は中国の清時代に書かれましたが、山月記は昭和に日本で書かれています。

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