あるものを例える表現技法として「隠喩」と「換喩」があります。
この2つはそれぞれどのような表現技法なのでしょうか今回は、「隠喩」と「換喩」の違いを解説します。
「隠喩」とは?
「隠喩」とは、「そうであるとはっきりと示さず例える表現技法」のことです。
「隠喩」の使い方
あるものを別のものに例えて表現する修辞技法のことを「比喩」といいます。
「まるで怪物のようだ」と言ったようにあるものを別のものに例える表現技法ですが、何かに例えていることを直接的に示さないまま行われる比喩が「隠喩」です。
「鉄のような掟」とはいわず「鉄の掟」と表現するように「のような」という表現を使わないで行われる比喩を指します。
比喩表現が短くまとまるため一つの言葉としてより緊密に表現したいときに用いられます。
「換喩」とは?
「換喩」とは、「あるものをあるものに置き換えて例える表現技法」のことです。
「換喩」の使い方
あるものを表現する時に本名や正式名称など直接的な表現を用いず近しい他のものに置き換えて表現する修辞技法を指す言葉です。
東京の永田町には国会議事堂や政党の本部など政治の中枢機能か集まることから政治の世界のことを「永田町」といいます。
本来はただの地名であるはずの永田町がそこにある建物や果たしている役割から政治の世界を表す「換喩」として用いられています。
「隠喩」と「換喩」の違い
「隠喩」が例えであることを省略して用いられる比喩表現なのに対し「換喩」は言葉を置き換えて例える表現です。
「隠喩」には例えるものと例えられるものの両方とも含まれていますが「換喩」は例える言葉を例えられる言葉に置き換えて表現しているので例えた言葉しか使われていません。
そのため「隠喩」は前提を知らない人でも理解できるのに対し「換喩」は永田町には政治の中枢部が集まっているというような前提を理解している人しか理解できないという違いがあります。
「隠喩」の例文
・『隠喩で表現する』
・『隠喩をさりげなく使う』
「換喩」の例文
・『換喩は誤解を招きやすい』
・『前提を知らないと換喩は理解できない』
まとめ
「隠喩」と「換喩」はどちらも比喩表現ですが表現の仕方が全く異なります。
言葉の構造を理解して正しく使いましょう。