この記事では、「クワコ」と「カイコ」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「クワコ」とは?
桑の木を好む「クワコ」はカイコの原生種であり、メスが居る場所へオスが飛んで来るほどフェロモンが強い個体です。
元々は中国で紀元前に野生で生息していた「クワコ」を人間が家で飼いやすくするため品種改良した虫です。
5000年前にはすでに家畜化され、人の生活を支える生き物として飼われていました。
餌は桑の葉を朝と夕方に与えるだけで成長するので、初心者でも比較的簡単に飼えます。
幼虫のときは成虫よりも茶色で、樹木のように全身を擬態化させて捕食者の目を惑わせる虫です。
危険が差し迫っているときは目玉に見える胸部を膨らますようにして、相手を威嚇する場合もあります。
「カイコ」とは?
中国の宮廷内で大事に飼われていた虫が「カイコ」であり、外には絶対持ち出してはいけない貴重な虫でした。
野生の中にいる蛾を家畜化したため、人間に餌を貰わないと生きてはいけません。
効率よく糸がとれるよう品種改良してあり、幼虫は桑の葉の上でほとんど動かず食べて成長します。
生涯に脱皮を4回ほど繰り返し、25日もすれば生まれたときよりも1万倍の大きさに成長するわけです。
5齢になると口から糸を吐き、美しい繭を作り出して体を包み込み、その中で蛹になります。
その過程で生まれる繭を人間が工場でさらに手を加えて絹で織りやすいよう糸にするのです。
「クワコ」と「カイコ」の違い
「クワコ」と「カイコ」の違いを、分かりやすく解説します。
飛べる「クワコ」は、野生に存在する虫であり、品種改良して人間が家畜化しました。
卵は6から7月に生みつけますが、夏場は葉に産み付け、秋は幹に卵を付ける虫です。
また、繭は「カイコ」のようにまっ白ではなく、薄い黄になります。
また、品種改良によって糸も多く集められます。
もう一方の「カイコ」は飛べない虫であり、幼虫のときから桑の葉を食べて成虫に育つのが特徴的です。
繭は白く、中でさなぎに変わるとき、繭を人間が丁寧に繊維素材としてつむぎ出し、服や鞄などの素材になります。
また、桑の葉の上で幼虫から成虫になった後もほとんど移動せず、飛び回ることもなく生きますが、「クワコ」は成長すると飛べる虫になるといった点が違うところです。
まとめ
見た目も名前すら似ている虫ではありますが、「クワコ」の方がかなり昔から人間に家畜化されていたり、飛べるといったところが「カイコ」とは違うと覚えておくといいでしょう。