目上の人に感謝されたり、褒められたりした時に使う表現として「とんでもございません」というものがあります。
それでは、この「とんでもございません」とはどういう意味でしょうか。
また、「とんでもないことでございます」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「とんでもございません」と「とんでもないことでございます」の違いを分かりやすく説明していきます。
「とんでもございません」とは?
「とんでもございません」とは、「とんでもない」の「ない」を「ございません」という丁寧ないいかたにしたものです。
「とんでもない」とは、「途でもない」から来ていることばで、「道理に外れる」という意味で使用される言葉です。
つまり、「あってはならないこと」ととも言えます。
しかし、「とんでもない」は、形容詞であるため、敬語にするため「ない」を切り離すのは本来ま違いです。
「とんでもないことでございます」とは?
「とんでもないことでございます」とは、「とんでもない」に「ことで」という名詞化の言葉と「ございません」という丁寧な語尾を付けたものです。
「とんでもない」とは既に解説したように、「あってはならない」という意味の言葉なので、「とんでもないこと」で、「あってはならないこと」になり、それが「ない」という言葉がスムーズに「ございます」という敬語に変化することができます。
「とんでもございません」と「とんでもないことでございます」の違い
「とんでもございません」と「とんでもないことでございます」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、意味や使用されるシチュエーションはほぼ同じです。
しかし、あるシチュエーションの場合には「とんでもなございません」がほぼ使われないという違いがあります。
その状況とは、「正しい敬語を使用することが求められる状況」です。
それは東野圭吾原作の「マスカレード・ホテル」の中にも出てくるように、伝統がある大きなホテルなどの接客業、そしてアナウンサーやナレーターなどが正式な文書やニュースなどを読む場合です。
つまり、前述のように本来は「とんでもございません」は正しい敬語ではなく、時代を経て場合によっては許容されるようになった表現だということなのです。
まとめ
この記事では、「とんでもございません」と「とんでもないことでございます」の違いを、解説してきました。
この2つの言葉の違いを意識して、正しい日本語、正しい敬語が使えるようになりましょう。