あれこれ想像して思うことを意味する言葉として「邪推」と「憶測」があります。
2つの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「邪推」と「憶測」の違いを解説します。
「邪推」とは?
「邪推」とは、「他人の気持ちや考えを悪く想像して思うこと」を意味する言葉です。
「邪推」の使い方
「邪推」の「推」は物事を想像で判断することを意味します。
「邪推」とはよこしまな考えに基づいて想像し判断することを表す言葉です。
一般的には悪意に基づいて人の心や考えを推し量ることを意味する言葉で他人の行動を下心によるものだと勝手に想像したり言葉の裏に隠された意味があるのではと悪く考えたりなど、人の心理や行動を素直に受け取らず悪く捉え想像することを表します。
「憶測」とは?
「憶測」とは、「確かな根拠もなしに勝手に想像して思うこと」を意味する言葉です。
「憶測」の使い方
確かな事実や裏付けのある真実を元にした推測ではなく、ろくな根拠もなしに勝手に想像して思うことを意味します。
明瞭に事実を想像するには手がかりや情報がたくさんあればあるほど正確な事実に近づきます。
十分な手がかりや情報がないまま無責任に想像する行為を指す言葉が「憶測」です。
「邪推」と「憶測」の違い
「邪推」と「憶測」の違いは「悪意」です。
「邪推」は見聞きした情報をそのまま素直に受け止めて想像するのではなく自らの中にある悪意のフィルターを一度通してから悪く想像することを意味します。
「憶測」は証拠や手がかりがないまま好き勝手にする想像を指し無責任ではあるものの相手に対する悪意はありません。
悪意のある濁った想像が「邪推」、悪意はないが信頼性に欠ける想像が「憶測」という違いで区別されます。
「邪推」の例文
・『彼と彼女の関係を邪推する』
・『下心を疑うような邪推はやめたほうがいい』
「憶測」の例文
・『憶測でものを語ってはいけない』
・『物価が下がるという見通しは彼の憶測に過ぎない』
まとめ
「邪推」と「憶測」は悪意が含まれているかどうかの違いで使い分けられます。
どちらもあまりいい意味ではない表現なので使い方に注意してください。