この記事では、「えもん掛け」【えもんかけ】と「ハンガー」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「えもん掛け」とは?
着物文化であった日本では、袖と裾の長い衣が床につかず、しわがつかないようしっかり伸ばしたまま掛けておくように使われていたのが「えもん掛け」【えもんかけ】です。
衣紋掛けと書くこの道具は、袖部分が横に長さがあり、振袖部分をぴんと張った状態で枠に掛けておけます。
1日着て汗をかいた状態であっても、よく乾かせるのも魅力な道具です。
この「えもん掛け」には部屋に着物の柄を見せて飾れる屏風式と衝立て式があり、高級なものには金銅といった装飾が施されていたり、漆が塗ってありました。
「ハンガー」とは?
着物や振袖といった衣がしわにならないよう「衣紋掛け」【えもんがけ】に袖や裾を伸ばした状態で掛けていました。
その「衣紋掛け」を現代では「ハンガー」と呼びます。
日本では、着物から洋服を着る機会が増えていく明治時代からよく使われるようになります。
着た服の汗を乾かすため掛ける役目がある道具といった役割があったのです。
昭和に入ってから日本人のほとんどが洋服を着るようになったことから、より服が掛けやすく、形状に合う立体的なものが出てきています。
「えもん掛け」と「ハンガー」の違い
「えもん掛け」と「ハンガー」の違いを、分かりやすく解説します。
袖と裾が長い着物の形状をそのままに、ぴんと張った状態で掛けて、汗を乾かせるのが「えもん掛け」です。
「ハンガー」と違う点は、洋服を掛けるのではなく、あくまでも袖が長い着物や振袖用であるため、肩幅がかなり長く作られています。
もう一方の「ハンガー」は幅の長さは狭く、コートやシャツといった身に着ける服を掛けるため作られているものです。
ズボンは中心で折り畳むようにして掛けられる部分を使うのが一般的でした。
現代ではより軽く、丈夫なプラスチックや丈夫な針金製が主流であり、服の曲線に合う形状であれ落ちにくい工夫がなされています。
まとめ
どちらも人が着るものを掛けておける道具ですが、着物か服用との違いがありますし、形状も異なりますので自分なりに画像などで比較してみるといいでしょう。