似たような意味で使われている四字熟語として「唯々諾々」と「不承不承」があります。
この2つはどのような意味の違いで区別されているのでしょうか。
今回は、「唯々諾々」と「不承不承」の違いを解説します。
「唯々諾々」とは?
「唯々諾々」とは、「内容に関わらず他人の言うがままに従うこと」を意味する言葉です。
「唯々諾々」の使い方
物事の是非や善悪にかかわらず他人の言葉を受け入れ素直に従うさまを表します。
普通の人なら反発したり考えたりするようなことでもはいはいと受け入れて従う従順なさまを表す言葉でこびへつらったりおもねったするような自分の意思が感じられない卑しい態度に用いられることが多く、あまりいいニュアンスでは使われません。
一般的には権力に対して尻尾を振る姿勢に対して用いられる表現で、自分の判断がなく上下関係や力の強さに素直に従う様子を表しています。
「不承不承」とは?
「不承不承」とは、「不満がありながらも承知すること」を意味する言葉です。
「不承不承」の使い方
心から納得しておらず不満を抱えているものの渋々ながら受け入れて承知する様子を表します。
物事を嫌々ながらやるときに用いられる表現で、やりたくないことを無理やり押し付けられたり納得がいかないことなのに立場上引き受けざるを得なかったりするときに使います。
「唯々諾々」と「不承不承」の違い
「唯々諾々」と「不承不承」はどちらも他人の言葉を受け入れて従う様子を表しますが「唯々諾々」が疑問を差し挟むことなくはいはいと素直に受け入れているのに対し、「不承不承」ははっきりと不満を抱えながらも嫌々受け入れているという違いがあります。
他人の言葉に対しまったく反発する様子を見せずそのまま受け入れて従うのが「唯々諾々」、言われたことに対し反発したり不満を浮かべたりしながらも最終的には受け入れざるを得ずに従うのが「不承不承」という違いで区別されます。
まとめ
「唯々諾々」と「不承不承」は最終的にはどちらも他人の言葉を受け入れて従いますが内心に大きな違いがあります。
どのような気持ちで言葉に従っているのかを基準に区別してください。