「遺体」と「死体」はどちらも命が失われた後に残る亡骸を表す言葉です。
2つの言葉はどのような基準で使い分けられているのでしょうか。
今回は、「遺体」と「死体」の違いを解説します。
「遺体」とは?
「遺体」とは、「人の命が失われたあとに残る抜け殻の肉体」を指す言葉です。
「遺体」の使い方
人の命が失われて亡くなると意識の抜け殻となった肉体のみが残ります。
かつて生きていた人に対し敬意を込めて残された肉体を指す時に使う言葉が「遺体」です。
「遺体」という言葉は一人の人間として人格を認めている場合に用いられる表現であり、死んだ後に残された肉体を単なる物体として考えるのではなくかつて生きていた人格と結びつく身体として考えています。
基本的に人間以外に用いることはなく、亡くなった人に敬意を込めて使う表現です。
「死体」とは?
「死体」とは、「死んだ後に残る肉体」を指す言葉です。
「死体」の使い方
生物の生命が失われ活動を停止した肉体を指します。
基本的に動物にのみ用いる表現であり植物に対しては使いません。
命が失われた後に残る肉体を物体として考えるニュアンスが強く、温かみが感じられない冷たく事務的な表現です。
死んだという事実を伝える場合に使いますがあまり丁寧な言い方ではなくそっけない印象を与えます。
「遺体」と「死体」の違い
「遺体」と「死体」の違いは「人格」です。
亡くなった人に対し敬意を払いただの肉体ではなく人格と結びつけた表現が「遺体」、命が失われて死んだ後に残る肉体という事実のみを強調する人格と切り離した表現が「死体」という違いで使い分けられます。
「遺体」は「死体」の敬意表現であるとも考えられます。
「遺体」の例文
・『遺体を棺に納める』
・『遺体を乗せた飛行機が到着した』
「死体」の例文
・『身元不明の死体が発見された』
・『動物の死体を処分する』
まとめ
「遺体」と「死体」は表しているものは同じですが込められている気持ちが異なります。
どのような思いを抱きどう扱うかを基準に区別してください。