この記事では、「セイレーン」と「人魚」の違いを分かりやすく説明していきます。
「セイレーン」とは?
「セイレーン」とはギリシア神話に出てくる海の怪物です。
現在では上半身が人間の女性で下半身が魚というイメージも強いですが、元々は人間女性の顔と胴体に鳥の下半身や腕という姿の怪物として語られていました。
人を魅了する歌声を持ち航行中にその歌声を聞いた人は正気を失い遭難したり難破し、結果命を落とすと言われています。
神話の生物ですが後におとぎ話に出てくる「人魚」にも影響を与えました。
「人魚」とは?
「人魚」とは半人半魚の姿をした想像上の生き物です。
人と魚の特徴を併せ持つ生き物という話は神話や童話やおとぎ話などで世界各国に見受けられます。
日本では上半身が人間の女性で下半身が魚というイメージを持つ人が多いですが、これは「セイレーン」を基にヨーロッパで作られた童話作品から生まれたイメージです。
世界各国を見ると魚の胴体から手足が生えた「人魚」や人の顔を持つ魚の姿をした「人魚」の伝承も見受けられます。
「セイレーン」と「人魚」の違い
「セイレーン」と「人魚」の違いを、分かりやすく解説します。
ギリシア神話に出てくる海の怪物が「セイレーン」で、世界各国の伝承に出てくる半人半魚の生物が「人魚」です。
「セイレーン」は時代によって半人半魚の姿のものと半人半鳥の姿のものがいますが「人魚」は半人半魚だけです。
また「セイレーン」は歌声で人を惑わし死に至らしめる怪物ですが、「人魚」は凶兆として扱われることもあれば吉兆として扱われることもあります。
まとめ
日本の「人魚」像はヨーロッパの「セイレーン」が源流にある童話から作られたものなので混同されますが、本来の「セイレーン」と「人魚」は人間以外の部分すらも別物です。
「セイレーン」は悪い怪物でしかありませんが「人魚」は良い伝承も悪い伝承もあるので、「セイレーン」の影響を受けているヨーロッパの「人魚」以外は全くの別物と言っていいでしょう。