この記事では、「五月雨」と「梅雨」の違いについて紹介します。
五月雨とは?
五月雨とは、旧暦の5月頃に降り続く長雨のことをいいます。
五月雨と書いて「さみだれ」と読みますが、「さつきあめ」ということもあります。
旧暦の5月は現在の5月の下旬から7月の上旬頃にあたるので、その時期に降る雨が五月雨になります。
五月雨は俳句だと、夏の季語になります。
また、五月雨式という言葉もあり、五月雨が長く降り続く雨を指すことから物事が断続的に続く様子を表しています。
梅雨とは?
梅雨とは春の終わりから夏にかけて、雨や曇りの日が多くなる時期のことをいいます。
梅雨は雨期の一種で、「つゆ」や「ばいう」と読みます。
梅雨の時期には日本列島に、オホーツク海気団と小笠原気団があります。
オホーツク海気団は北にあり、冷たく湿った海洋性気団です。
小笠原気団は北太平洋の西部にある海洋性気団で、暖かく湿っています。
オホーツク海気団と小笠原気団が接近すると、温度差によって停滞前線が発生し雨がふりやすくなります。
その停滞前線が梅雨前線です。
梅雨前線はゆっくりと北上していくので、それと共に梅雨が明けていくのです。
五月雨と梅雨の違い
梅雨は春の終わりから夏にかけて訪れる曇りや雨が多い季節のことをいい、五月雨はその長雨を指す言葉です。
梅雨を「つゆ」と読む場合には季節を表しますが、「ばいう」と読む時には梅雨の長雨のことを指します。
そのため「ばいう」は五月雨と同じものです。
また、五月雨という言葉が生まれたのは梅雨よりも古く、古今和歌集には既に五月雨が登場しています。
梅雨が生まれたのは江戸時代で、俳諧から生まれたといわれています。
五月雨は古来から伝わる雅語ですが、梅雨は俗語でした。
まとめ
晩春から夏にかけての梅雨に降り続く長雨が五月雨です。
また、梅雨を「つゆ」ではなく「ばいう」と読む時には雨そのものを指すので、五月雨と同じ意味になります。