この記事では、「能面」と「神楽面」の違いについて紹介します。
能面とは?
能面とは、能に用いられる仮面のことをいいます。
能は日本の伝統芸能の一種で、狂言と共に能楽と呼ばれています。
能楽のうち超自然的なものを扱うのが能で、能面をつけて鬼神や亡霊、仙人、霊獣といった超自然的な役柄を演じます。
現実にいる男性の役柄の場合、能面はつけません。
能楽師は、能面のことを面(おもて)と呼んでいます。
能面は細かく分類すると、300近くになるといわれています。
鬼の面や天狗の面もありますし、人間を表す男面や女面、老翁を表す尉面などもあります。
材質はヒノキでできており、顔料による彩色が施されています。
神楽面とは?
神楽面とは、神楽に用いられる仮面のことをいいます。
神楽は神事において神に奉納するために奏される歌舞です。
宮中で行う御神楽では神楽面を用いることはありませんが、地方などで民俗芸能として行われる里神楽では神楽面を使うことがあります。
神楽には鎮魂のために行うもの余興として行うものがありますが、神楽面を用いるのは余興として行うものです。
神楽面は猿楽や能、狂言などに影響を受けて作られるようになったといわれています。
猿楽は能と狂言の元になったものです。
神楽面には様々な種類があり、翁面や鬼面、女面、ひょっとこ面、おかめ面、猿面、狐面等が挙げられます。
能面と神楽面の違い
能面は能に用いられる面で、神楽面は神楽の一部に用いられる面です。
能面の影響を受けて作られた神楽面も多いので、大きな違いはありません。
翁面や鬼面などは、能面にも神楽面にもあります。
能では亡霊や仙人、霊獣などを能面で表現するので、そういった面が多くあります。
神楽で面をつけるのは余興の時なので、ひょっとこ面やおかめ面など道化面があるのが特徴です。
まとめ
神楽面は能面の影響を受けて作られました。
能面には鬼や仙人、霊獣といった超自然的なものを表した面が多く、神楽面にはひょっとこ面など道化面があります。