「節税」と「租税回避」はどちらも納める税金を少なくしようとする行為です。
2つの行為はどのような基準で区別されているのでしょうか。
今回は、「節税」と「租税回避」の違いを解説します。
「節税」とは?
「節税」とは、「法律の範囲内で納税額を減らすこと」を意味する言葉です。
「節税」の使い方
国に税金を納める納税は国民の義務です。
納税額は所得や消費などそれぞれの名目ごとに定められていますが、納税の仕組みは複雑でさまざまな制度を利用すると同じ条件でも納税額を合法的に低く抑えられます。
法律の範囲内で納税額を抑える行為を「節税」といいます。
会社を設立して経費として認められる範囲を広げたりふるさと納税で優遇措置を利用したりなど、税法が認める範囲内で合法的に行われる税金の節約行為が「節税」です。
「租税回避」とは?
「租税回避」とは、「税負担を逃れようとする行為」を意味する言葉です。
「租税回避」の使い方
税金は収入や財産に応じて等しく課税されますが、課税そのものを逃れて税金の支払いを免れようとする行為を「租税回避」といいます。
「租税」とは国や自治体が住民に税金をかけて徴収することを意味し、税の対象となることそのものを逃れ収入や財産を守ろうとする行為が「租税回避」です。
一般的にはタックスヘイブンと呼ばれる税率の小さい国に会社を設立するなどして課税を逃れる行為を指すことが多く、税法が想定する範囲ではないグレーゾーンの行為です。
「節税」と「租税回避」の違い
税法が想定する範囲内で納税額を減らすのが「節税」、税法が想定していない方法で課税を逃れるのが「租税回避」という合法かどうかの違いで区別されます。
「節税」が合法なのに対し「租税回避」は合法か違法かあいまいな部分も含みますが、完全に違法な行為である「脱税」とは違います。
「節税」の例文
・『節税のために領収書を保存しておく』
・『個人事務所を立ち上げて節税する』
「租税回避」の例文
・『ケイマン諸島に会社を設立して租税回避を狙う』
・『租税回避への対策は国際的な課題だ』
まとめ
「節税」と「租税回避」は税法が想定する範囲内かどうかで区別されます。
基準がはっきりしていない部分も多いので注意してください。