この記事では、「伝統工芸品」と「伝統的工芸品」の違いを分かりやすく説明していきます。
「伝統工芸品」とは?
「伝統工芸品」とはその地域で受け継がれてきた技術や素材によって作られている工芸品です。
厳密にこれを満たしていれば「伝統工芸品」という基準や、逆にこれに当てはまるなら「伝統工芸品」ではないというような基準はありません。
そのためそう名乗るために誰かの許可を取る必要もありませんし、その歴史が数十年程度の短い歴史でも問題なく「伝統工芸品」と名乗ることができます。
「伝統的工芸品」とは?
「伝統的工芸品」とは法律によって決められた条件を満たす、伝統的な技術が使用されている「伝統的工芸品」です。
日常生活に供されるものや主要な製造過程が手工業なこと、使用される技術や素材がその伝統に則っていることや、該当する地域で一定以上の認知度があり少なくない人数が製造に関わっていることといった条件があります。
これらの条件を満たした上で判断材料となる証拠を揃えて申請を行い、それらが条件を満たしていると認められると「伝統的工芸品」となり、「伝統的工芸品」と認められた物だけがそう名乗ったりそうであると示すマークを使用可能です。
「伝統工芸品」と「伝統的工芸品」の違い
「伝統工芸品」と「伝統的工芸品」の違いを、分かりやすく解説します。
その地域で受け継がれてきた技術や素材で作られた工芸品が「伝統工芸品」で、その地域の技術や素材を現在まで継承していると認められた工芸品が「伝統的工芸品」です。
「伝統工芸品」は誰かに認められていなくても名乗れますが、「伝統的工芸品」は法律で定められた基準を満たして経済産業省に認めらないと名乗れません。
まとめ
「伝統工芸品」よりも「伝統的工芸品」の方が的と入っている分少しあやふやな感じに思うかもしれませんが、むしろ「伝統的工芸品」の方が法的にも認められた正当な工芸品です。
「伝統工芸品」と「伝統的工芸品」の違いは法的に認められているかどうかの違いですが、認められるだけの証拠資料を作って公認を得るのもなかなか大変なことなので、「伝統的工芸品」と名乗れない「伝統工芸品」も少なからずあります。