この記事では、「食思」【しょくし】と「食欲」【しょくよく】の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「食思」とは?意味
介護従事者の間で「食欲」があることを「食思」【しょくし】といいます。
日常的に介護される側が「食べたい」と思うときは「○○さん、食思にて昼食完食です」といったように伝えるのです。
反対に「食思不良にて夕食3割摂取」といかに患者が食べられなかったかを伝えて健康状態を心配します。
このように、日常的に介護の世界では使われていますが、一般的には使う機会が少ない言葉です。
「食欲」とは?意味
「食べたい」という欲求が強いことを「食欲」【しょくよく】といいます。
「食欲が増す」といえばいかに食べたい気持ちが強く出ているかを表せるわけです。
「食欲増進」は、荒れた胃のために食べられないといった人が飲むことで症状が改善され、食欲がわく効果をもたらします。
反対に、「食欲がない」といえば食べたい気持ちではないという状態を表す言葉になるのです。
「食思」と「食欲」の違い
「食思」と「食欲」の違いを、分かりやすく解説します。
介護従事者は申し送りのとき入居者がどのくらい食べたか分かりやすく書類に書くとき「食思不振」と書いたり、食欲があれば「食思戻られ」といった用語を使います。
実際に食べた量を書くときは「○○さん、食思何割戻る」といったように書くわけです。
もう一方の「食欲」は人間が持つ欲望の一つであり、健康な身体を作る源になります。
「食欲」があるのは健康な証拠でもあり、反対に欲がないと病気を疑うわけです。
「食思」の例文
・『何号室の○○さんの食思が少し戻って7割摂取した』
・『○○さんが朝から食思不良のため夕食は4割摂取にとどまる』
「食欲」の例文
・『食欲が抑えきれない私は、うどんにカレーも追加して食べた』
・『朝から食欲がなく、昼食も味噌汁だけ飲んで終わりにした』
まとめ
どちらもほぼ同じ意味で使われている言葉ですが、「食欲」を介護の世界では「食思」と書くと覚えておくといいでしょう。