この記事では、「空き家」と「廃墟」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「空き家」と「廃墟」の違い
「空き家」とは、人間が常にそこで生活をしていない家のことです。
「廃墟」とは、建物の荒れ果てた跡、人家や商店などが立ち並んでいた場所の荒れ果てた跡のことです。
どちらの場合も、人がいなくなっている点は同じですが、それぞれの言葉が意味するものは違います。
「空き家」は家についての言葉です。
どのような家かというと、人が長期間生活をしていない家のことです。
旅行で一時的に留守にしていることではなく、生活をする人がいなくなった家のことを指しています。
「廃墟」は、建物や市街などについての言葉です。
どのような建物や市街かというと、以前は人がいたのに現在はいなくなっており、荒れ果てているところです。
建物にも生活のためのもの、仕事をするための大きなビルのようなもの、工場のようなものなどさまざまありますが、「廃墟」はこのどれもを指しています。
「空き家」は人が生活をするための家を指していますが、「廃墟」はそれ以外の建物も指していることになります。
また、「空き家」は荒れ果てたという意味は含まれていませんが、「廃墟」には荒れ果てたという意味が含まれています。
「空き家」と「廃墟」の使い方の違い
生活をする人がいなくなってしまった家のことを指して「空き家」を使用します。
一時的に留守をしていることには使用しません。
建物や市街などが荒廃した跡のことを指して「廃墟」を使用します。
「空き家」と「廃墟」の英語表記の違い
「空き家」は英語で“unoccupied house”や“empty house”と表現をします。
「廃墟」は英語で“ruins”や“remains”と表現をします。
「空き家」の意味
「空き家」とは、生活する人がいない家のことです。
旅行のときには、その家の住民がいなくなります。
長いときでは、1か月ほど旅行することもあるでしょう。
しかし、このような留守番状態ではありません。
「空き家」は、住んでいた人が出て行ってしまい、現在誰も人が戻ってくることがない家のことを指しています。
所有者の有無は関係ありません。
家の権利を持っている人が存在しているけれど、現在は人が住んでいない家は、所有者が高齢者で現在は老人ホームなどに入居しており、住まなくなってしまった、所有者が亡くなって遺族が相続をしたけれど、何も手をつけずにいるなどの理由があります。
「空き家」が地域に増えると、老朽化による倒壊を起こす、放火被害が出る、景観が悪化するなどの問題がでてきます。
「空き家」が倒壊をして隣家に被害が出たり、人に被害が出たりした場合は、損害賠償を請求されることがあります。
人が住まなければきれいな状態を維持できそうですが、空気の入れ替えをしていないためカビが生える、野生動物が侵入をするなどして、家が傷んできます。
それによって倒壊する心配がでてきます。
「空き家」の使い方
暮らしが営まれていない家のことを指して使用します。
ビルのような大きなものを指して使用することは少なく、主に人が生活するための家のことを指しています。
別荘は含まれます。
旅行などで一時的に住んでいない家のことではなく、長期的に住んでいない家のことです。
所有者がいるのか、いないのかは意味に含まれていないので、所有者がいる場合も所有者がいない場合も、生活をする人がいなければ使用できます。
「空き家」を使った例文
・『空き家のはり紙がしてあった』
・『空き家状態になっている家を整理する』
・『この地域には空き家が多い』
・『空き家の庭には雑草が茂っている』
「空き家」の類語
「空き屋」が類語です。
同じ意味です。
「空き家」の対義語
人が住んでいる家を意味する言葉が対義語で、「住居」になります。
「廃墟」の意味
「廃墟」とは、建物や商店・人家などがあった場所が荒れ果てた跡のことです。
建物の場合だと、すぐに住めるようなきれいな状態のことではなく、人が住めないような状態になっているものを指しています。
たとえば、ツタが絡まって中に入ることが難しい、窓ガラスが割れている、屋根が壊れている、壁が剥がれているといった状態です。
「廃墟」が意味する建物とは、人が住むためのもの、物を入れるためのもの、仕事をするためのものなどです。
商店や人家があった場所だと、もう人が住んでいない、商店が営業されていない、人の気配がないといった状態のことを指しています。
たとえば、駅が使われておらず植物が茂っている、道路だった場所が川になってしまったといった状態です。
ホテルやテーマパークの場合、侵入者がいてさらに荒されるなどの問題があります。
このような状態になってしまうのは、長年人が足を踏む入れていないからです。
人が足を踏み入れていないと、植物が繁殖してくる、建物が崩れてくる、動物が住むようになるなどします。
そのまま放置されてしまうこともあれば、再利用されることもあります。
再利用されているものの例としては、原爆ドームがあります。
「廃墟」の使い方
建物や市街などが人が住める状態ではなくなってしまった跡を指して使用します。
どれくらいの荒れ具合なのかという具体的な定義はありません。
日本の各地に存在しており、されらを指して使用されることが多いです。
また、世界各地にも「廃墟」があり、それらのこともいいます。
以前は荒れていたけれど、現在は管理されているものについては、使用しないことが一般的です。
「廃墟」を使った例文
・『廃墟の写真集を購入する』
・『廃墟巡りをする』
・『廃墟の写真を撮る』
・『危険なので廃墟に近づかないでください』
「廃墟」の類語
「荒れた家」が類語です。
「廃墟」の対義語
対義語はありません。
まとめ
どちらの言葉にも生活をする人がいない家という意味が含まれていますが、「空き家」は家のことだけを指しているのに対し、「廃墟」は城、テーマパーク、市街などのことも指している点や荒れているという意味を含む点が違います。