「点火」と「着火」はどちらも火をつけることを意味していますが、この2つの表現はどのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「点火」と「着火」の違いを解説します。
「点火」とは?
「点火」とは、「何もない状態から火を生み出して点けること」を意味する言葉です。
「点火」の使い方
マッチを擦ったり電極をスパークさせて火花を発生させたりなど、それまで何もないゼロの状態だったところに火を生み出して点けることを「点火」といいます。
原始的なやり方としては木をこすり合わせた摩擦熱を用いるやり方が知られているほか硬い石同士を打ち合わせた時に出る火花を利用する方法もあります。
現代では専用の道具を用いることがほとんどで、コンロのつまみをひねったりエンジンキーを回してスタートさせたりなど直接的な火起こしではなくてもその行為が火を発生させることにつながっていれば「点火」です。
「着火」とは?
「着火」とは、「燃えるものに火が着くこと」を意味する言葉です。
「着火」の使い方
枯葉や薪などの物体に火が移って定着し燃え出すことを「着火」といいます。
自らが 火を発するわけではなく他の場所からきた火が着いて燃え始めるのが「着火」です。
火が定着し安定して燃え始める様子を指す言葉なので一瞬だけ火がついてすぐに消えてしまうような場合は「着火」とはいえません。
「点火」と「着火」の違い
「点火」と「着火」の違いは「行為の主体」です。
「点火」は人の手によって能動的に火が生み出されることを指しますが、「着火」は薪や落ち葉などを燃えるものに火が着く受動的な意味で使われます。
人が主体になるのが「点火」、燃やされる物体が主語になるのが「着火」という違いで区別されます。
その他にも無から火を生み出すのが「点火」で、すでにある火を利用するのが「着火」というのも使い分ける基準のひとつです。
「点火」の例文
・『エンジンを点火する』
・『花火に点火する』
「着火」の例文
・『うまく薪に着火した』
・『完全に着火するまで少し時間がかかる』
まとめ
「点火」と「着火」は似ているようで全く意味が異なります。
はっきりとした基準で使い分けられているので覚えておきましょう。