この記事では、「トランペット」と「コルネット」の違いを分かりやすく説明していきます。
「トランペット」とは?
金管楽器のひとつで、俗に言うラッパのことです。
語源は、貝殻の一種をあらわすギリシア語の“strombos”だといわれています。
構造は、マウスピースを差し込む入口から、管が伸びており、途中で長円に、一周半くらい管が巻かれています。
その先に円錐形のベルがあります。
ベルは音の出口で、音が増幅されます。
長円の中央には、3つのピストンバルブがあり、音程が変えられるようになっています。
トランペットの歴史は古く、木や粘土、人骨などからつくられた様々なものが世界中にありました。
唇を震わせて音を出す、ストローのようなものだったといわれています。
その後、吹き口やベル側を工夫したものがつくられ、金属で作られるようになっていきました。
14世紀には長い管でつくられるようになり、17世紀には音楽の合奏として用いられるようになりました。
1810年頃にバルブが発明され、バルブによって管長を変え、半音階も演奏できるようになりました。
「コルネット」とは?
高音部を担当する金管楽器のひとつで、1820年代にフランスで考案されました。
トランペットによく似ている外観で、トランペットに比べると円錐管の占める割合が大きくなります。
ルネサンス期に使われた金管楽器も「コルネット」と呼ばれますが、この楽器とは違います。
ドイツではツィンクと呼ばれ、笛のような外観、指使いをする管楽器です。
ツィンクは、16世紀と17世紀に流行しましたが、今ではほとんど演奏されていません。
「コルネット」は、ポストホルンにバルブ装置を付けてつくられて、一時はトランペットよりも使われていました。
「トランペット」と「コルネット」の違い
「トランペット」に比べると、「コルネット」は円錐管の占める割合が大きくなります。
また、音も「トランペット」は、華やかで明るい音が特徴で、「コルネット」はそれに比べると柔らかい音、深みのある丸い音だといわれています。
成り立ちは、「トランペット」は昔からある長管の楽器で、「コルネット」は1820年代に、ポストホルンにバルブ装置を付けられてつくられた楽器です。
大きさは、「コルネット」のほうが小さいことが多く、管の巻きも二周になります。
まとめ
「トランペット」と「コルネット」はとてもよく似ていて、同じような音域の楽器です。
つくられた歴史と、音に違いがあります。