この記事では、「法衣」と「袈裟」の違いを分かりやすく説明していきます。
「法衣」とは?
「法衣」とは僧侶や尼が着ている着物です。
お坊さんはまず「法衣」を着てその上に後述する「袈裟」を着るのが正装になります。
「法衣」にも様々な色がありますがこれはただのファッションではなく、その宗教内でその僧尼がどれだけの位にいるかによって着用できる「法衣」の色が変わるので、「法衣」の色を見れば僧尼の階級もある程度把握できるでしょう。
緋色や紫色の「法衣」を着用できる僧尼はその宗派の中でもトップクラスの人達に限られます。
「袈裟」とは?
「袈裟」とは僧侶や尼が着ている衣服の一種です。
一番外側に着用するもので左肩から下げるように着用し右肩を出すのが正しい着用方法になります。
元々は衣服を含む財産を持つことが許されない僧侶が身を覆うために使っていた布が「袈裟」でした。
しかし赤道に近いインドならともかく中国では気温の問題で布一枚使って身を覆うだけでは過ごせません。
そのため中国では「袈裟」が僧侶であることを示す装飾のような衣装と化し、日本でも僧尼が着る衣服の一種として伝わりました。
「法衣」と「袈裟」の違い
「法衣」と「袈裟」の違いを、分かりやすく解説します。
和服としての着物のように僧侶や尼が着用する着物が「法衣」で、その上に右肩を出すように着用する僧侶であることを示す衣装が「袈裟」です。
仏教の僧侶は階級によって着用する衣服の色が変わりますが、主に変わるのは「法衣」の色であり「袈裟」の色は階級が変わっても共通したままということも少なくありません。
まとめ
大元であるインドで言うところの「袈裟」は僧侶が着る布全般を指すので中国や日本でいう「法衣」と同じであり、日本の「袈裟」も「法衣」に含まれる一種なので仏教に深く親しんでいない人には紛らわしく感じるでしょう。
日本においては僧侶や尼が着る着物が「法衣」で、その上に左肩から掛ける衣装が「袈裟」と覚えておけば問題ありません。