この記事では、「色々」と「様々」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
色々と様々の違い
「色々」には、異なる物、事、状態などが数多いことという意味があります。
「様々」とは、種類がたくさんあり、それぞれのものが違うことを意味します。
「色々」は複数の異なるものという点に着目していて、「様々」は複数の異なるものがあり、相互の違いに着目している点が異なります。
たとえば、植物図鑑には数多くの種類の植物が紹介されています。
植物には、チューリップ、コスモス、マーガレットなど、いくつもの種類があります。
同じ「植物」というグループですが、チューリップとコスモスでは品種が違います。
このように異なるものが数多いことが「色々」です。
チューリップとコスモスでは、花弁の枚数、咲く時期、葉の形などが違います。
こういった違いに着目した表現が「様々」です。
色々と様々の使い方の違い
どちらも日常的によく使われている言葉です。
たくさんあることを「色々」や「様々」と表現したりしています。
職場、家庭、学校などでも使われているし、書籍などの文章でも使われています。
日常的に使われる場合に大きな違いはありませんが、「色々」は会話で使われることが多く、「様々」は文章で使われることが多いです。
色々と様々の英語表記の違い
「色々」は英語では“various”と表記をします。
「様々」も英語では“various”と表記をします。
“various”は、「色々」「様々」どちらにも訳すことができます。
色々の意味
「色々」には3つの意味があります。
1つめは、種類が多いこと、さまざまを意味します。
買い物に行って、洋服を買って、靴を買って、帽子も買ってといったとき、「色々購入をした」といいます。
2つめは、さまざまの色のことです。
『源氏物語』の中にこの意味での表現が出てきます。
3つめは、襲の色目の名のことです。
現在一般的に使われているのは、種類が多いことという意味です。
パン屋さんに行くと、クリームパン、食パン、あんぱん、ジャムパン、コロッケパンなど、いくつもの種類のパンが置かれています。
このように種類が豊富なことが「色々」です。
色々の使い方
「色々」は種類が多いことを表したいときに使われている言葉で、日常的に会話で登場します。
書き言葉としても使われますが、話し言葉として使われることが多いです。
「たくさんの種類」を意味したいとき、「たくさんの種類」と会話で表現することはできますが、それよりも「色々」と言った方が短い言葉で表現できます。
色々を使った例文
・『色々ありすぎて選ぶのに迷う』
・『今日は買い物に行って色々なものを購入した』
・『誕生日に色々なものをもらってうれしかった』
・『デパートには色々な品物がある』
・『通販なら自宅に居ながら色々なものを購入できる』
色々の類語
類語は「各種」「種種」「さまざま」「多様」などです。
「各種」も種類が多いことを意味していますが、「色々」は抽象的なものにも使えるのに対し、「各種」は具体的なものに使います。
「種種」は具体的なことにも、抽象的なものにも使えます。
「多様」は抽象的なことに使う場合が多いです。
色々の対義語
対義語は「種類が少ない」です。
様々の意味
「様々」には、種類が数多くあり、それぞれが違っていることという意味があります。
クリームパン、ジャムパン、クロワッサン、メロンパンなどは、「パン」というグループとしてまとめることができますが、それぞれのパンには違いがあります。
クリームパンにはカスタードクリームが入っていますが、ジャムパンにはカスタードクリームは入っていません。
こういった違いに着目した表現が「様々」です。
様々の使い方
日常的に使われる言葉ですが、会話表現よりも文章表現で使われることが多くあります。
「今日買い物に行って数多くのものを買った」という場合、「今日買い物に行って様々なものを買った」と表現することもできますが、やや硬い表現方法になってしまいます。
「様々」とい言葉が会話で使われるときには、公の場や改まった場面で使われています。
様々を使った例文
・『植物園では、様々な植物が栽培されている』
・『水族館で様々な生き物を見た』
・『本校の生徒は様々な方面で活躍しています』
・『様々なことが心配されます』
・『様々な休日の楽しみ方がある』
様々の類語
類語は「各種」「種種」「いろいろ」「多様」などです。
「各種」と「多様」は会話でも使われ、「種種」は文章で使われることが多いです。
様々の対義語
対義語は「種類が少ない」です。
まとめ
どちらもほぼ同じ意味なのですが、「色々」は種類の多さに着目していて、「様々」はそれぞれの違いに着目している点が異なります。
また、会話で使われるのは「色々」、文章で使われるのは「様々」の方が多くあります。