「とける」と読む漢字には「解ける」「溶ける」がありますが、どう使い分ければよいのでしょうか。
この記事では、「解ける」と「溶ける」の違いを分かりやすく説明していきます。
「解ける」とは?
「解ける」【とける】とは、つないであるものが離れること、問題や謎の答えが見つかること、心のわだかまりがなくなり打ちとけることです。
「ほどける」と読む場合は、結んであるものが離れること、緊張がほぐれるさまを指します。
「解ける」は、他動詞「解く」に対する自動詞の形です。
漢字の「解」は、ものをばらばらにする、とき放す、わかるいう意味を持ち、「解く」は「固くつながっているものをときほぐす」ことを表します。
そして、その自動詞にあたる「解ける」は、自然にものがときほぐされるさま、または物事が可能になる状況を表して「問題や謎の答えを見つけるとができる」状況を表す言葉になっています。
「解ける」の言葉の使い方
「解ける」は主に「結んであるものがほどける」「緊張がほぐれて打ち解ける」「問題の答えが分かる」といった状況を表すときに用います。
また、雪や氷などが自然にとけるさまも「解ける」と表すこともでき、「雪どけ」は「雪解け」と漢字をあてる形が一般的です。
「解ける」の使い方の一例には以下が挙げられます。
・『固い結び目がようやく解けた』
・『試合中に猫が迷い込んできて場の緊張が解ける』
・『誰にもわからなかった難問がたった5分で解けた』
・『春が来て、雪解け水が小川のせせらぎを作っている』
「溶ける」とは?
「溶ける」【とける】とは、物質が化学変化などによって固体から液体に形を変わること、または、液体に物質が混ざり合うことです。
「溶ける」は他動詞「溶かす」に対する自動詞の形にあたります。
漢字の「溶」は水にとかす、個体が液体に変わるという意味を持ち、自動詞の「溶かす」は人がそれを意図的におこなうこと、他動詞の「溶ける」は「自然に固体が液体に変わること」、あるいは「液体に物質を混ぜ合わせることが可能なさま」を表しています。
「溶ける」の言葉の使い方
「溶ける」は、個体だったものが自然に液体に変わること、または水などに物を溶かすことができることを表すときに使います。
なお、雪がとける場合は「解ける」「融ける」を使うこともあります。
「溶ける」の使い方の一例には以下が挙げられます。
・『炎天下食べるアイスは、あっという間に溶けてしまう』
・『塩は水によく溶けるが、片栗粉は溶けにくい』
「解ける」と「溶ける」の違い
「解ける」と「溶ける」の違いを、分かりやすく解説します。
これらの言葉は、どちらも固いものがゆるんで柔らかくなるニュアンスを持ちますが、意味や使い方は少し異なります。
「解ける」は、固くつながっていたものがほどける、気持ちがほぐれてうちとける、答えが見つかる、という意味を持っています。
一方「溶ける」は、固体が液体に変わること、液体に物がまじり合う現象を表しており、言葉の持つ意味自体にははっきりした違いがみられます。
また、雪や氷がとけることは主に「溶ける」を使いますが「解ける」と表すことも可能であり、雪がとけることは「雪溶け」ではなく「雪解け」または「雪融け」があてられるため、混乱を招きがちです。
まとめ
同音異語の「解ける」「溶ける」は、基本的には異なる意味を持つものの共通したニュアンスも含んでいます。
実際に使用する際、どちらの漢字を当てればよいか迷いやすいので、正しい使い分け方を把握しておきたいものです。